7月7日(金)、家庭ごみ有料化に関する京都市の市政出前トークに参加してきました。
説明会では、平成18年度4月環境局発行の『家庭ごみの有料指定袋制について』が資料として配布されました。
「地球温暖化対策」というが、ごみ焼却量・埋立量の記載なし。
本気で地球温暖化対策として取り組もうとしているとは思えない『資料』に会場から質問がよせられました。
「ごみ減量の目標」で掲載されているのは、『ごみの総受入量』と『定期収集ごみ量』のみ。
会場からは、「どうして、焼却処分にする量や埋め立て量などが掲載されていないのか?地球温暖化対策が目標であるなら、記載すべきではないか」と意見が出されました。
本気?低い目標設定に疑問の声が・・・
また、目標数値があまりに低いことも問題に。
とりわけ事業系ごみ。
家庭からあつめるごみ総量の削減目標(平成15→22)の数字で、6万トン程度の削減が目標、事業系ごみはわずか1万トンの削減が目標となっているのは納得いかないとの指摘。
京都市側の説明は、事業ごみの持ち込みについては、持込手数料を倍に値上げして対応していますとのこと。目標数値が低いことについては回答ありませんでした。
有料化には本当にごみ減量効果があるのか?あいまいな「立証」
有料化に本当に効果があるのか?「全国市町村の半分で有料化をしており、どの地域も10%-30%の減量効果が上っています」と京都市は説明。この説明に対し、参加者から、環境省や京都市の環境審議会も「リバウンド」の心配を指摘しているし、実際に、有料化してもリバウンドが起きているという指摘がされました。さらに、有料化で効果がなくなったために、分別を徹底することでごみが減ってきたというのが、その有料化した市町村の経験ではないのか、との指摘もされました。京都市は、この参加者からの指摘に対して、リバウンドしても有料化前の水準にまでゴミが増えることはないと説明。各市町村が分別などの措置をとったことによる減量については、「京都市でもあわせ技をします」と説明。結局、有料化ではなく分別こそが減量につながることを認めざるを得ないような説明をしました。
有料化で意識が変わる?反論に開き直り
有料化によって意識も変わると、「ある都市」では、有料化をうけて「マイバッグ」を持参する人が5割増えた・・・という例をあげました。例をあげるときに「ある都市」と説明すること自身不誠実と思いますが、会場からはさっそく反論が。
有料化していない市町村、たとえば名古屋ではエコキューポンという運動をして、マイバッグを持参する比率を増やすことに成功しているし、京都では生協がマイバッグを持参する運動をしてサミットバックの利用を大幅に減らしているという指摘がだされ、別に有料化しなくても意識は変えられると指摘がされました。さらに、そもそもお金がない人は困るが、お金のある人は、どんなゴミでも金さえ出せば回収してくれるのだからといって意識が変わらないのではないか、との指摘も。それに対して京都市はまともに答えることができず、結局「意識がかわったと証明することはなかなかむずかしいので、京都市としては今回の有料化を通してデータをとってより有効な減量につなげるようにしたい」と答えました。
なにが公平か?
京都市は有料化した理由のひとつとして、ごみ収集の負担の公平ということをあげました。週二回の定期収集のごみの処理に45㍑袋あたり270円の処理費用がかかり、びん・かん・ペットは540円かかると説明。これを税金で負担するのは公平かどうか、と説明。これに対して、税金で負担するのが公平でないというなら、今回の有料化と引き換えに減税などの措置はとらないのか?との質問には回答しませんでした。介護や育児でつかうゴミ袋代について問われた京都市は、市議会の付帯決議を根拠に、福祉のほうでどういう対応するか検討していると答えましたが、ぜんぜん、そのあたりが具体化されていないまま、場当たり的にとにかく強行するというのが京都市の姿勢のようです。今回の有料化が、いかに住民の実情を考えないで出発したかがうかがえる一幕でした。同時に、説得力のない京都市のゴミ有料化に予想以上に各方面から反対意見があがっている反映でもあるとも実感しました。
(次回に続く)