「水車小屋のネネ」は大変長いお話です。
次女の帰りを塾の前で待って読んでいる時に、
塾の国語の先生から、「水車小屋のネネ」ですね」
これは良いですよね。と声をかけられました。
理佐と律の2人姉妹の旅立ちから話が始まります。
最初はヤングケアラーのお話かと思っていました。
その読み方だけだと、この小説の楽しさは半減してしまいます。
二人が生活していく中で出会うさまざまな人たちとの
なんとはない、平凡な日常が綴られています。
そこに、いつも登場して、いなくてはならないのが水車小屋のネネです。
大きな出来事は何もありません。まるまる四十年にわたる
二人の出会った優しい人達の物語です。
物語の最初の年、この姉妹の健気さが印象的です。
そして、後半は妹、律を中心に綴られています。
なんの事件もないのですが、続きが気になって、読まずにはいられなかったです。
姉の理佐が私とほぼ同じ世代であることもあるからかもしれません。
最後、律が小学校の時に受け持ってもらった
藤沢先生の言葉が印象に残ります。
「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」
このお話の舞台はどこなのだろう、とずっと考えていたのですが、誰かご存知でしょうか。
私は、昨年の夏、次女を連れて遊びに行った青梅あたりを想像していました。