今読んでいて夢中になっている本。
子供の頃から憧れていた数学という学問の歴史に残る偉人の伝記を読むのは
小さい時から楽しみの一つでした。
フォン・ノイマンはおそらく最も優れた数学者の一人だろうと漠然と感じていましたが
その業績について深く知ろうとしたことがありませんでした。
この本は、そんな私にフォン・ノイマンのなした業績を順に解説してくれました。
漠然としてしか知らなかったフォン・ノイマンの業績をもう少しだけ深く教えてくれます。
フォン・ノイマンは10代の終わりに、集合論の公理化という論文を発表します。
これがラッセルのパラドックスを回避し、当時ヒルベルトの考えていた数学を強固なものとするものとして、ヒルベルトから
歓迎されていたらしいこと。
その後、量子力学においても、それを数学的基礎に還元するために量子力学の数学的基礎という論文を著すことに
熱中しています。当時、量子力学を記述するにはハイゼンベルクが唱えた行列力学として捉えられるものと、
シュレーディンガーの波動方程式が提唱されており、それらの関係性について論じています。
そして太平洋戦争末期にはその能力の高さは原爆の開発にフルに利用されたようです。
さらに同時期には、ゲーデルの不完全性定理の第一定理にも達していたようですが、ゲーデルが焦って、先に論文を提出したとのことでした。
そして、戦中から戦後にかけてのコンピューターの創始。もちろん、アラン・チューリングの考えを
たちどろこに理解して、その考えを取り入れたものとしています。
さらにゲーム理論の創始。
骨肉腫を患い、53歳で死去。
数学における様々な分野での先導的な仕事の内容がどれも素晴らしく、
本当の天才であり、万能数学者であったのだろうと思われます。
各数学分野での仕事の内容の概説が述べられています。
しかし、そのどれもが難解でした。
特に量子力学分野でハイゼンベルクのフォン・ノイマンがやったことを適切にフォローすることはできませんでした。