芥川賞受賞作品読書感想文
お気づきでしょうか・・
前回から「見出し」をつけることにしました
忘れることもあるかもしれませんが・・その辺はテキトーです
さて今回は、偶然にも「夫婦生活」がテーマとなっている2作品を続けて読みました。
1冊目、第154回受賞作品「異類婚姻譚」本谷有希子 著
平凡な専業主婦の「私」はある日、自分の顔が旦那とそっくりになっていることに気がつきます。
しかも旦那の顔のパーツは、だんだんバラバラになってゆき、仕事に行かなくなったかと思えば、唐突に大量の揚物を作るようになって・・
不思議で不条理な物語ですが、文章全体がかわいらしい雰囲気なので、一気に読むことができました。
ラストは「不思議の国の楢山節考・旦那バージョン」とでもいいましょうか・・とにかくへんてこりんでしたが、おもしろかったです
次は、第141回受賞作品「終の住処」磯崎憲一郎 著
30歳を過ぎて結婚した男の目線で進んでゆく、妻との結婚生活。
結婚してからずっと不機嫌な妻は、幼い娘を連れて遊園地に行った次の日から11年間、口を利かなくなった・・
こちらはまず、内容もそうですが文体が変わっています。
本来、文章の終わりは「。」ですが、「、」になっているのです。
だから本当は終わりではなくて続いているのかもしれませんが、明らかに「この文章はここで終わってるよなぁ」という感じがぬぐえないのです。終始そんな文体なので、独特の(奇妙な)世界観を感じました。
結婚生活はずっと不安定で、自分の立ち位置がわからぬまま、終(=死)に向かっていくのだろうか・・なんともモヤッとした読後でした
recognize
たまたまこの2冊を続けて読んだので、気がついたことがありました。
「終の住処」が2009年、この作品のラストは「妻と自分の顔がそっくりだ」となっています。
「異類婚姻譚」は2016年なので、「顔がそっくり」という部分は「終の住処」に影響を受けたのではないでしょうか。
あと、「終の住処」には「黒いストッキングの女」と「サングラスの女」が登場します。
これは2019年の受賞作品「むらさきのスカートの女」に影響を与えたのでは
などなど、勝手にいろいろ考えてしまいました
それにしても芥川賞受賞作品は、どれも変テコでおもしろい
もっといろいろ読んでみたいと思います