2011年の岡山大学の入試問題の第5問に、実に興味深いテーマの自由英作文が出題されていました。

やや長いですが、以下のとおりです。


・次の英文を読んで、あなたの答えを、理由とともに10行程度の英語で書きなさい。

There are many poor people in the world who lack the money to buy food, clothing, shelter, and medicine. If you were to donate $100 to a charity such as Oxfam, then some of these people would get what they desperately need and you would thereby increase happiness. But if you were to donate all of your spare income each month, then even more people would get what they desperately need and you would produce even more happiness. Should you donate all of your spare income to charities such as Oxfam? Would it be wrong not to do so?

(注) Oxfam: 1942年に設立された英国の慈善団体


簡単に言うと、余ったお金があって、それをいくらかOxfam のような慈善団体に寄付したとすれば、切実に困っている人をいくらか助けることができるわけです。世界に「幸福感」を増やすことができます。
*注:Oxfam 自身は、自分たちをチャリティーではなく「チェンジ」の団体と言っています。

であれば、余っている収入を「全部」寄付することにしたならば、より多くの切実に困っている人を助けることができるため、より多くの「幸福感」を作り出せると言えるでしょう。

あなたは、余っている収入全てを、Oxfamのような団体に寄付するべきだと思いますか?また、そうしなかったとすれば、それは正しくないことなのでしょうか?


・・・と、このような問題提起です。

これはかなり難しい問題だと思います。試験という限られた短い時間内で、満足のいく回答を書くのは無理でしょう。おまけに、日本語ならまだしも、英語ですからね(笑)。岡山大も、なかなか受験生にとって酷なテーマを出しますね。

しかし、私自身にとっては、これは極めて重要なテーマです。人生でもっとも重要なテーマの1つです。

私自身は今のところ、

余っている収入はもちろん、全額寄付するべきで、そうしないのは、正しいとは言えないと感じています。そうしないのは、目の前で事故にあって重傷を負ったけが人がいて、自分は携帯電話を持っていて119番に電話をかけることができるのに、その人のために救急車を呼ばずに見捨てて去ることに似ている(同じとまでは言いませんが)、と思っています。

ただし、私自身、余っている収入をすべて寄付するという行動はできていません。ある行動を「正しい」とか「正しくない」と思う気持ちがあったとしても、正しいからと言って必ずやれるわけではないし、正しくないからと言って、必ずやめられるわけではありません。私にも物欲があり、煩悩があり、将来へ備える必要があり、養うべき父母がいます。

しかし、そういう葛藤の気持ちは常に持ち続け、前進への道を模索し続けます。貧困問題解決のために思考と試行を続けることが、少なくとも現在の私にとって、世界で最も意義深いことだと思っています。