玉川大学2007年の過去問に、以下のような並べ替え問題があります。頭の体操にどうぞ:
そのスーツきまってるね
(terrific, you, look, that, in) suit.
問題自体は、けっこう簡単です。特に文法を意識して考えるまでもなく、
look good in (服) =「(服)が似合っている」
という表現を決まり文句として暗記してしまっている人にとっては、この問題はただgood がterrific という似た意味の形容詞に変わっただけなので、なんなくかたづけることができます。
答えは、
You look terrific in that suit.
です。
しかし、そうではな人でも、品詞をちゃんと覚えて、文法を意識して考えれば解くことができます。
まず、文の核である動詞を考えましょう。動詞の候補はlook しかありません。
なのでとりあえず、出だしは
You look...
でしょう。
そのあとは、look の文型を思い出します。
文型は自分で考えるものではないです。覚えて、思い出すんです。もともと決まっているものなので、動詞1つ1つ暗記します。
ネイティブではない、ましてや英語の学習期間も浅いような人が適当に文型を想像しても、(英会話なら間違いだらけの英文でも意味が伝わる可能性があるので、それで良い人にとっては良いでしょうが)少なくとも英語の試験では、うまくいかないことでしょう。
look は第1か第2文型しかありません。
つまり、
①後ろに前置詞または副詞を書く(第1文型)
さもなくば、
②後ろに形容詞を書く(第2文型)
の2パターンしか考えられません。
そうなると、選択肢中に副詞はないですし、
①look in (~の中を見る)にする
か、
②look terrific (すばらしく見える)にする
か、しかありません。
意味的に、②しか通じませんよね。
後は、in はふつうは前置詞ですので、後ろにちゃんと名詞をつけてあげればいいわけです。
in that dress の順ですね。
1 決まり文句としてすでに多くの表現になじんでいる
ということに加え、
2 文法知識があり、文が本当に正しいかどうか、「理詰め」で検証する力がある
ということまで達成済みだと、まさに鬼に金棒です。
試験英語なんて楽勝です。
2番の「理詰め」が全然できない場合、よっぽど英語に習熟しまくらない限りは、
「なぜこうしなくちゃいけないの??私(おれ)の感覚では、これで正しいと思うんだけど?」
という壁に突き当たったときに苦しい思いをすることでしょう。
以下余談ですが、そういうことが起こりがちなのが、(すべての場合とは言えませんが)子供のころ5~10年程度英語を母国語とする国で暮らしたような帰国子女のように思います。
ネイティブの大人ほどの英語力を身に付けることもなく帰国したが、日本にいる限り、すでに半端ない英語力を手にしており、文法なんて学ぶ必要など全然感じられない…
そうなると結局、発音だけは間違いなく激ウマなだけに、大人になり社会に出たときに、文法的正確性に欠ける点が一層目立ってしまい、子供っぽい英語しか話せない、書けないという悩みに苦しむことがあり得ます。