オンライン英会話は便利だけどスピーキングは上達しづらい | TOEFLコーチ サボテンの「TOEFLここだけの話」

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英語教授法MAによるTOEFLサバイバルガイドと英語学習のあれこれ

今後、TOEFLのスピーキングについても書きますが、気になることがあるので書いてみます。

スピーキング力を伸ばすー>できるだけ話すー>英会話/オンライン英会話

という発想はごく自然かもしれません。ですが、英会話通学経験がある方で、すごく効果があったと感じる人は意外に少ないのではないでしょうか。

ではなぜ効果が感じられないのでしょうか?

スクールや先生の質でしょうか?指導方法、教材でしょうか?

理由はいろいろあると思いますが、私が感じる決定的な理由は、時間です。

英会話に通う人の多くは、週1回または2回程度ではないでしょうか?今ではオンライン英会話のほうが主流でしょうから、回数はもっと多いかもしれません。それでも毎日英会話をやっている人は少数派でしょう。

英語の習得にはどのくらいの時間がかかるでしょうか?

これに関して、徳島大学と文教大学で研究された結果がネットで公表されているので、今回はそちらを参考にさせていただきながら説明します(ダウンロードされる場合は自己責任にてお願いします)。

https://repo.lib.tokushima-u.ac.jp/files/public/11/113723/20190917142023761378/baric_2018_11.pdf

例えば、大学卒業後に日本国内で英会話学校等の教育機関で学ぶケースについて考えてみます。この研究によると、大学卒業時の英語力がTOEIC440点前後と前提する場合、英検準一級レベルに到達するまでに、約935時間の授業時間が必要と推定されるそうです(同等の自己学習時間も必要)。

一方、週2回、2時間英会話に通う場合、一年(52週)の学習時間は約104時間にとどまります。この研究結果は確定的なものではないですし、自己学習の時間、学習の質、個人差などもあるため一概には言えませんが、一年では英会話の効果は限定的と言えるでしょう。

 

スピーキングの上達には英会話が手っ取り早いと感じられるかもしれません。それは一理あると思いますが、英語の習得にかかる時間については頭の片隅に置いておいたほうがよいかもしれません。