信長の棺
…今年は本についてのアップがメインになりそうだな…。
なーんて、又心にも無い法螺をついてますが^_^;、又しても本のアップ。
- 加藤 廣
- 信長の棺
かの前首相が愛読したという本らしい。
…いかんよ、こんな本を愛読しちゃぁ…。
と珍しく?辛口で始まりました、manu書評。(←かなり偉そう)
とか言いつつ、3日ぐらいで完読。(大汗)
いや、面白かったっすよ。
ホント。
読みやすい文体だったし。
ま、”一応”、歴史ミステリーの体裁を取っているので、謎解きが気になったし。
だけどなぁ。(大汗)
ところで、つい先日「panda_77の和み生活」 さんで、あーんなコメントを残した私が、翌日にこーんなアップをするのも何なんですけどね。(汗汗)
あんなコメントとは
『「荒筋とか作者の意図とか、訴えたい事とか、そういう感想を言うのは野暮なんじゃないの?」
という本もあると思うんですね。』
という「野暮」なんて死語じゃねーのかい!?お前さんよ!!…と自分でもツッコミ入れたくなるようなコメントなんですが。(ーー;)
ま、それはともかくとして<m(__)m>、確かに「野暮なんじゃないの?」という本はあると思うし、そういう系統(だと思っている)の本に、そんな感想を言われて「けっ!この野暮ちんめ!!(滝汗)」と内心思ったりしている事はあります。
前回本のアップの「鴨川ホルモー 」なんて、シミジミとかいうジャンルではないけど、全体的に漂う可笑しみが、ストーリーの食い足りなさ(多少はありましたさ。)を補っていたと思うし、其処はまだ新人なんだから、次回待ってるぞ~、と思ったりもしている。
でもねー。
この「信長の棺」はイカンでしょー。
実はね、これ、3部作で既刊の「秀吉の枷」(「伽」と読み間違えて、勘弁してくれよ、おっさん(?)と思った事は内緒だ。)と未刊の後1作まで続くらしいんですよね。
で、「秀吉の枷」は既に読もうと決めちゃっているので、言ってる事違うじゃねーか!?とツッコミ覚悟で言わせて貰えば、ミステリーとしては「そりゃあなたの思考段階を辿っていっただけじゃねーすか?」という展開だし、普通の小説としても「そうですか」みたいなレベルの話だと思います。
(歴史小説としては、好きだけど詳しくないので、コメントを控えます。^_^;)
結局、次を読もうと思わせてしまうというのは、単なる好奇心でしょうなぁ。
次どうなるんだべ?という感じ。
ま、それだけでも小説としてレベルが高いとは言えるのかもしれないけどねー。
ストーリーテラーとは言えるかもしれない。
(「ストーリーテラー」と「プロットがしっかりしている」は別物ですよね。)
何より「おいおい」とツッコミを入れたくなった所は、探偵役の主人公が白昼夢を見てしまう事なんですね。
まず、「白昼夢の出来事ありき」で証拠集めをしてしまう所が「本格」ミステリー派(大嘘です。^_^;)の私としては許せーん!?
ホームズだって「まず証拠を探す。余計な想像を入れるな」と言ってるじゃないですか?
(んな事言ってないかもしれない…言ってる気がするだけ…?)
この作者の加藤氏は、この作品で小説家デビューな訳ですが、実際は「経営書」を何冊か書かれている方な訳で…。
小説だから客観的に書かなくても良いのかな?と思われたんでしょうか?
全体的に加藤氏の「こうあれば良いなあという信長」に関する色んな想像が透けて見えるんですな。
勿論、歴史書ではなく小説なので、想像アリで良いと思うんです。
また、完全な客観性というものは人間が書く以上有り得ないとは思うんですよ。
ただ、それにしても主人公と加藤氏が同化し過ぎているように見えるのは私だけでしょうか?
それも加藤氏が主人公に同化するのではなく(それは作家として有り得るとは思います。よくわからんけど。^_^;)、主人公が加藤氏に同化してる気がするんだよなぁ。
ま、言ってしまえば「加藤氏戦国乱世へ飛ぶ!?」という感じでしょうか?
その辺りがどうも、この小説が私小説臭さを感じさせる原因かなぁ…と思う。
予想以上の辛口になってしまいましたが、この本のお陰で、信長関連の本を読みたいなぁ…等と思わせて頂いたし、一気読みできる程面白かったのは事実です。
2作目の「秀吉の枷」では、どう変化されているのか楽しみです。
最後に他の方の書評等をいくつか拝見させて頂きましたが「ジジイのエロ(そういうシーンが数回アリ)は余計だ」という感想が結構あったのに笑いました。^_^;(その通り)
リンク:「panda_77の和み生活」 さん