危機的状況に陥った時、革命を求めたがる人は多い。
「この状況を変えるには、劇的な何かが必要だ!!」
そんな言葉を謳って、革新的なものを求める。
しかし、それはとてつもない諸刃の剣だということに、どれだけの人が気付いているだろう。
革命が成功する確率は、正直奇跡である。
過去の歴史上の革命を振り返ってみても分かる。奇跡的な確率でしか成功しないからこそ、革命。
そして、成功した革命の元で、どれだけの犠牲者がいたか。どれだけの犠牲が払われたか。そういったことが、あまりクローズアップされない。
そう、革命とは、「奇跡的な確率でしか成功しない」、「成功したとしてもとてつもない犠牲を伴う」という、実は希望でも何でもないものなのだと。
それは、地獄のさらに奥底に落とされた、全ての希望を完全に失った者が手を出すべき、『命を賭した最後の希望』と言うべきものだと思う。
今、多くの人が、日本の『革命』を求めているような空気を流している人達がいる。
しかし、僕はそれは間違いだと思う。
革命の意義は、「いい方向に変えること」であると思う。
だとすれば、犠牲は少ない方がいい。
ただし、革命に犠牲はつきもので、しかも代償はとてつもなく大きい。
だから、革命ではなく、『小さな変革』を積み重ねることの方が、実は大切であり、多くの人にとって有効なのだと。
それは、過去から学ぶこともあるであろうし、新しく生まれてくるものもあると思う。
ただ、革命という名の『破壊』をやろうとしている人達に、リーダーのタクトを与えてはいけないと思う。
今の日本がそれを証明している。
選挙という名の革命が起こってからの3年間で、状況は何も変わらないどころか、悪化の一途を辿っている。
革命では何も変わらない。
いや、正確には、革命で何かが変わる確率は、奇跡である。
今必要なのは、大切なのは何かを思い出し、一人でも多くの人が小さな良いことを積み重ねることであると思う。
それは、自分が笑顔で明るく生きられること。周りの人に、笑顔と明るさを分けられること。
金や名誉が、非常に価値があるのだという価値観を、少しずつ捨て去ること。
人を幸せにできることが、同時に自分も幸せにすることなのだと、少しずつ気付くこと。
やれることは、山ほどある。
革命は、今この世の中に必要ない。
やれることを、地道に積み上げていく以外、この世界は変わらない。
そのことに、多くの人が気がついた時。初めて、世界は変わる。
『革命』によって、全てが破壊される前に。
自分たちにできることを、していくしか方法はない。そう思う。