再生医療についての解説をしておりますが、少しマニアックです(笑)

今注目されている再生医療にはiPS細胞、ES細胞、それともうひとつ。体性幹細胞があります。

今まで、前者については解説してきました。(iPS細胞はこちらES細胞はこちら。)

 

その次にある体性幹細胞とは何か??

これを解説したいと思います。

 

少しマニアックですが、豆知識として知っておいた方がいいと思います。

 

まず、なんとなくイメージできると思いますが、人の体には、もう数えきれないくらいの細胞があります。

その細胞って、実は時間とともに死んでいくんです。

そして新しい細胞に置き換わっています。

その置き換える細胞を作っている細胞を体性幹細胞と呼びます。

要は細胞の製造所みたいな感じです。

 

体性幹細胞治療というのは、その細胞を取り出し、それを大量に増やし、炎症部分に投与することにより、その炎症部分の細胞を修復させるという治療です。

細胞が死んでいる部分に製造所を送り込むことで、そこの細胞を大量に供給し、修復するというイメージです。

 

例えば、手にケガをしたとします。

そのケガって時間とともに治りますよね??

これって、死んだ細胞が新しい細胞に置き換わって治しているんです。

 

手のケガの場合、外傷なので、塗り薬などを使いながら、細胞を復活しやすくできます。

ただ、内部のケガはそうはいきませんよね??

例えば、内臓の細胞が傷ついて、細胞が死んだとしても、製造が間に合わないと治りません。

むしろ悪化します。

人の体って免疫というものがあって、体の内部に異常が発生すると、その細胞を排除しようと動きます。

 

免疫を警察と考えればわかりやすいです。

体の中で事件が発生。警察は何事だ!と向かいます。

現場に向かうと、大量の細胞が死んでいる。犯人は誰なんだと聞きます。

現地にいる人から、事業聴取を行い、いろいろな細胞を疑い、逮捕します。

逮捕された細胞は死んでいきます。

警察はこいつが犯人ではなかったのかと、さらに違う細胞を逮捕。。。その繰り返しにより、大量の細胞が死んでしまい、

症状が悪化する。そんな感じです。

 

この時、こいつが怪しいですと警察に事情を話すアドバイザーがいます。

今、コロナでも話題ですが、これをサイトカインと呼びます。

アドバイザーがこいつが怪しい、こいつも怪しいと、いろんな細胞に疑いをかけてしまうことで、警察は間違って逮捕してしまうのです。

 

本当は悪い細胞じゃないのに、免疫(警察)が攻撃をしてしまい、細胞が死んでしまう。

そんなことが、体の内部で起きます。

そんな荒れ果てた場所に、細胞製造所を大量に送り込むことで、その部分を復活させるのが、体性幹細胞治療です。

 

ただ、この体性幹細胞。

分身できる細胞は限られており、iPSやESと比べると、置き換えられる細胞が限られます。

どの細胞も作れるぜ!というわけではないんです。

その一方、体性幹細胞には免疫調節機能というものがあり、

iPS細胞とES細胞の一番の課題である、免疫拒絶反応がないというのが一番の強みです。

 

ここ数年で、この体性幹細胞を使った治療方法が承認され始めています。

 

本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

少しわかりづらかったかもしれませんが、できるだけイメージしやすく書いてみました。

ご参考にしてください。

 

以上

TODOKERU