チョン・セランという韓国の作家の発案で作られた。
アジアのいろいろな地域の作家が共に本を作るという企画。
どの国でもひとびとは様々な事柄に抑圧されて生きている。
この本ではそれぞれのお国柄というか、それぞれの国の特殊事情みたいなものも垣間見ることができる。
中国では共産党による支配、台湾、香港では民主化運動、タイでは軍事政権やテロ、シンガポールでは宗教問題、などなど。
本書は、そういった抑圧を加えられて、人間関係をゆがめられ、「絶縁」という選択をしなければならない人々の話だ。
日本や韓国では表面上、そういった明確な政治的な外的プレッシャーがないから、よりグロテスクな印象だ。
チョン・セランは性的トラブルを題材に、村田沙耶香は現代社会の虚無性?みたいなものを題材にしている。
村田沙耶香はさすが!と思わせる強烈なインパクトを残す作品。
それ以外では韓麗珠(香港)『秘密警察』がよかった。
ほかに、ラシャムジャ(チベット)、チョン・セラン(韓国)の作品もよかった。