芥川賞受賞作家、上田岳弘(「たかひろ」とよむらしい)の新刊。

図書館で偶然見つけ、借り。

 

この人の作品、3冊めくらいだが、わりと面白いです。

本作はウーバーイーツ配達員やTIikTokでかせいでる貧乏女子大生が主役。

いままではITで起業して割と成功してる人とか、成功者からの目線で、成功者ならではの虚無感みたいなテーマのものが多かったように思うが(平易な言葉で書いてあるが、内容は難しく、正しく理解できていないかも、ですが)、

本作は社会の比較的底辺側から、未来を見据える、みたいな雰囲気。ちょっと作風新しいです。

 

作者自身が経営者との二足の草鞋らしく、経営者ならではの精神的ジレンマみたいなものを描いているのかなーという気がする。

(宮崎駿が反戦だけど、戦闘機大好き、みたいな)

 

そういった意味で、今までの読んだ作品は作者が自分を見つめている、という感じの雰囲気で社会へのメッセージみたいな感じがやや希薄なのが物足りない感じはする作家ではあったので、

本作では、より社会にコミットするような傾向があり、ますます楽しみな作家さんになってきた。