芥川賞受賞作品。
昔よく読んだ梶井基次郎とか萩原朔太郎のような感覚。
割と淡々とした日常を描きつつ、ちょいちょい不安とか、そういった感情が織り込まれてくるというパターンの作家。
引きこもりの義兄とか、それこそ穴とか、イタチを殺害する話とか。子供ができたのかどうなのかよくわからないが、妻がこっそり泣いていた、とか。
個人的に、ですが、あまりにも漠然としたテーマの作品群で作者の言いたいこと、みたいなものとあまりにかけ離れた感想を持ってしまっているのではないか、というのが一番不安。
あまりに不安すぎて、一応ネットでレビューを見てみると、おおむねやはりみなさん同じような考えらしく不気味、とか不穏、とか不条理というようなワードがめについて、ホット一安心。
あるレビュアーさんのコメントによると、平穏の中の不穏っていうのはある意味芥川賞の常道らしい。