9002形は都電の中でもちょっと異色。


 赤でもなく緑でもなく、藍色とクリーム色の車体は遠くから見ても、すぐに9002形とわかる。

 その分、どこか異様な雰囲気にも感じる。

 

 昭和レトロをイメージした9000形は、2色パターンがある。

 登場した当初、茶色がかった赤バージョンは、どこか都電の街に溶け込むような印象があった。



都電ひとつばなし-9002

 でも、今にして思うと、都電の沿線って大塚や池袋、早稲田、王子、町屋、三ノ輪橋と、結構な都会だ。


 むしろ、都電が廃止されて線路が引っぺがされた場所にこそ、レトロはまだ生き残っている。

 だから、レトロ車両がどうにも落ち着かない。


 そして藍色の9002形もどこか浮いているような存在になってしまった。


 新型の8800形も登場した都電。

 9002形が異端児として愛されるのか、それとも…。