先週末、福井鉄道に乗りに行ってきた。

 福井県は総人口約81万人しかいない。

 そして福井市は福井県の県庁所在地とはいえ、人口は約26万人。

 隣県の金沢市、もしくは敦賀市などの嶺南地方は関西との結びつきが強く、福井市の求心力は極めて弱い。


 そうした中、福井鉄道と福井市が協働で進めているのが、パークアンドライドだ。


 福井鉄道の電停を見て回ると、市内線はともかくとして、郊外に伸びる路線の駅にはほとんどが駐車スペースが整備されている。駐車場がない駅は、近くのコンビニやショッピングセンターと連携している。


 ここまで協力的にパークアンドライドを推進している自治体は、福井市と福井鉄道をおいてほかには見当たらない。しかし、それでも、福井鉄道の利用者は多いとはお世辞にも言えない。


 わざわざ自動車から乗り換えて福井鉄道に乗るには、やはり億劫なのだ。


 理由はいくつかあるだろう。


 例えば、福井駅前電停が福井駅もしくはえちぜん鉄道の福井駅から遠いこと。

 福井駅前に行く路線が支線のような扱いになっていること。

 福井駅前のにぎわいが物足りないこと。


 などが挙げられる。

 3番目は鉄道がこのような状態だから起きた現象であり、ここに理由を求めるのは気の毒ではある。

 それでも、駅前の単線区間を福井駅―県庁と伸ばして駅前区間を環状線化するなどの対策が必要になると思われる。(実際、北陸新幹線乗り入れで、駅前までの延伸が計画されているらしい)



都電ひとつばなし-福井鉄道


 もうひとつ気になったのは、1日乗車券が土日祝日限定であること。

 500円の乗車券だから、平日にも実施したら元が取れなくなることは理解できる。

 それでも、なんとか平日にもフリー切符を発券できないものか…。

 ランチ付き乗車券が発行されて、平日でもフリー切符が使えるようにはなっているけれど…。


 パークアンドライドの積極的な推進は感心したけれど、まだ実を結んでいるとは言い難い。

 というよりも、福井鉄道を見ていると、はたして自動車と電車の共存、パークアンドライドは本当に実現できるのか? そして実現したところで、中心市街地活性化などの街の再生は可能なのか? いろいろと考えさせられた。