終電後の都電沿いは、商店街の光を失い、東京都心とは思えないほどひっそりとしている。
時折、道路工事でもしているのか、側道に赤いランプが点滅し、作業音が暗い空へと吸い込まれていく光景を見ることもできる。
それでも、都電沿いはただただひっそりと次の日の朝が来るのを待ち続ける。
青白く光に照らされた線路。
明日、この線路の上を走る都電は、こんな切なげな光を知っているだろうか?
新しい一日が始まり、新しい電車が走る。
昨日とは違う一日が始まる。
人は昨日のことを少しずつ忘れ、新しい明日に向かって走り出す。
電車も、乗客も、風景も。
みんな少しずつ変わっていく。
ボクもキミも、少しずつ変わっていくように…。