「鉄道に詳しいライター」と、最近言われる。
そりゃ、2冊(?)も鉄道の本を出しているわけだし、鉄道雑誌に原稿を書いたことも何度かある。
さらに、こんな都電のことばかりブログに書いていたら、通常は「鉄道に詳しい」と思われても仕方がない。
そんな感じで、最近は鉄道関連の仕事が増えている。
そうした仕事のひとつで、「全国の路面電車を紹介する」企画が『週刊大衆』で持ち上がり、手持ちの写真を整理してみた。
正直な話、全国津々浦々に走る路面電車のすべてに乗車したわけではない。
福井鉄道などはまったく乗車したこともない。
さらに、乗車したことがある路面電車の写真を持っているかと聞かれれば、結構持っていなかったりする。
で、実際、東急世田谷線などは、都電とそれほど離れているわけでもないのに、全然撮影していなかったことに気づかされた。
こんな機会もなければ、改めて撮影することもないだろうと、早速、撮影に出かけた。
世田谷線は都電とは異なり、未来型のデザインの路面電車だが、併用軌道区間はなく、鉄的ポイントは若林駅の踏切ぐらいかだろうか。
ただ、東急電鉄三軒茶屋駅-小田急電鉄豪徳寺駅-京王電鉄下高井戸駅と、大手私鉄を縦に繋いでいるため、乗客も多く、頻繁に運転されていることが窺える。
都電にも言えることだが、バスと違い、路面電車は定時性・速達性に優れている反面、線路に行き先を支配されているため、経路を変更することはできない。
地方ではバスが利便性ある公共交通として活躍しているものの、路面電車が果たす役割は決して過去のものではない。
しかし、時代とマッチしない路面電車は時の趨勢とともに淘汰されていく。
都電も荒川線を残すのみとなり、世田谷線の前身だった玉川電気鉄道も世田谷線を残してすべて消えた。
生き残った路面電車は、21世紀の公共交通の旗手になることはできるのだろうか?