引っ越しをしてからというもの、忙しくて都電に乗る暇もない。

 それどころか、都電に乗ろうとさえ思えない毎日。


  今、仕事関係で頻繁に会う「あの人」は、鉄道大好き!の女性なのに、なぜだか都電にはさほど興味を示してくれない。

 もともと東京の片隅を走る都電、今のような状況下では仕事でもない限りは乗る機会がないのに、そんな理由でさらに不乗車に拍車がかかっている。


 仕方がないので、子供のために買ってきた9000形を走らせて遊んだりする。

 いい大人が都電のおもちゃに一人興じているのは、どこか切ない。


 都電9000形


 もともと、都電は好きではあったけれど、グッズを集める趣味はなかった。

 それもこれも「彼女」の影響である。


 都電チョロQだのを集め始めたのは、「彼女」の方が先だ。

 自分が都電グッズを買い集めるようになったのは子供が喜ぶからって理由にほかならない。そうやって子供をダシにして鉄道趣味を謳歌するのが、鉄道好きのもっとも悪い点であることはわかってるけれども…。

 

 生まれてから20数年も都電沿線で育った根っからの都電好きで、言葉もわからない頃から子供に都電教育を施している「彼女」と、仕事上で頻繁に会う日本一有名であると思われる鉄道アイドル。


 どちらも鉄子なのだろうけれど、まったく鉄道趣味の方向が違うことがわかる。


 3つ子の魂100までと言われるように、4歳にもなれば、もう立派な都電マニアの完成である。

 

 子を抱いて、都電8500形に乗った日は遠くなりにけり。

 今日も夜中に、都電9000形を夜中に一人動かしながら、しみじみと思う。


 鉄道って趣味は、時間に余裕がないとできない趣味だなぁ。