都電に限らず、運転士には特別なイメージがある。
小さな男の子とって、特に運転士に憧れるのは、運転士が着てる制服の特殊性もあるだろう。
制服を着て、颯爽と電車を操る運転士は、男の子にとって輝かしく見えるはずだ。
そうした思いが、成長して大人になっても続いていると、運転士を目指したりする。
職業としての運転士は、まさに少年たちにとっては、夢の職業なのである。
鉄道の運転は、技術の進歩とともにそれほど難しくなくなったと言われる。
バスやタクシーとは異なり、鉄道は線路の敷設してある場所しか走ることができず、また線路が分岐している箇所えも切り替えるのは司令室の指示によって自動化されているから、運転士はあまり気にする必要がない。
鉄道の運転は簡素化されて、今ではワンハンドルが主流になっている。
しかし、特別な事情でワンハンドルにできない車両もある。
そのひとつが、都電荒川線だ。
都電は旧来からツーハンドルの車両採用してきた。
そこには、駅間が短く、さらに併用軌道区間があるために加速よりも制動(ブレーキ)が重視されたことが挙げられる。
そういった個々の事業者によって、事情があるために操作が簡単なワンハンドルを導入していない鉄道会社もある。
となれば、自然と運転士には熟練が求められる。
勾配がきつい、箱根登山鉄道もまたしかりである。
『コクピットイズム』vol4では、都電荒川線の運転士の制服や箱根登山鉄道の運転士に密着する記事を書いた。
男の子が一度は憧れるという、運転士の世界。
本誌を手に取るのは、マニアばかり……ではなく、あの頃の気持ちを忘れることができない人々かもしれない。
ちなみに、『コクピットイズム』vol4では、お召列車の運行・運転規則についても書いてます。