鉄道ブームならぬ、テツオタブームの牽引役でもあるドラマ「特急田中3号」。
内容はそれほどテツ分はないものの、鉄オタアイドルの豊岡真澄 さんやテツオタアイドルを自称する木村裕子 さんが出演するなど、それなりに鉄分は濃く、テツオタにはあり得ないような展開もあるが、まぁ、内容はともかく、「鉄道」に注目が集まっている。
とはいえ、鉄道が注目されているからといって、赤字で苦しんでいる鉄道会社の経営が上向きになるといった見通しはない。鉄道はあくまでも市民の日常の足であり、一時的に過熱するブームではなく、恒常的な安定した利用が求められる。
そうした意味では、今の鉄道ブームがどこまで鉄道業界に貢献しているのかはなかなか測りづらい。
むしろ、運行に邪魔なテツを大量に生み出してしまい、地元の人々にはただただ迷惑な存在になってしまう可能性もあるだろう。
それでも、やはり一度は鉄道に乗ってみて、公共交通としての役割を再認識してもらうことは大きな意義がある。
路面電車の役割が再評価されて見直し論が出ているものの、コンセンサスを得られるまでになっていないのは、路面電車に乗車したことがない層が圧倒的で、乗ったことがあったとしても観光地でつかの間の旅情を味わうためだけのものしかないからだ。
日常生活に欠かせない足としての利用価値を再認識してもらうには、やはり乗ってもらうしかない。
一度、二度乗車してもらい、通勤や通学といった手段での利用者が増えれば、もう少し路面電車復活の波は大きくなるに違いない。
特急田中3号など、今般の鉄道ブームで女子の鉄道ファンが増えたこと、テツではないライターさん がテツオタ宣言をして邁進していることなどは光明と言えるかもしれない。
それでも、都電沿線にはいつもと変わらない時間が流れる。