都電の荒川車庫前で工事が着々と進められている。


 ここは、少し前まで都電職員などの駐車場だった場所だ。

 そのスペースが空いたため、この場所に新たに都電の展示スペースを設けることになった。


 そもそも、鉄道に関する博物館はいくつもある。例えば、横浜市電はとうの昔になくなったが、横浜市電

のメモリアルを残す記念館はある。


 東京都は海外でも類を見ないほどの路面電車都市だった。それにも関わらず、都電の博物館はなかった。

 

 都電ファンで映画監督の故・実相寺昭雄氏は、常々「都電博物館」を建設することを提言していた。


 他都市の記念館と比べると、まだまだ都電の展示スペースは小さい。

 まして、ちゃんとした建物があるわけではなく、屋外展示である。


 こうした屋外ミュージアムは、このところ増えている。そうした展示施設はエコミュージアムと呼ばれたりするが、展示される旧型車両が風雨とともに劣化してしまわうのではないかと心配になる。


 すでに、沿線の都電空間がエコミュージアムであるだから、展示施設ぐらいは建物があってもいいのではないかという気がする。


 都で無理なら、飛鳥山にある3つの博物館のどれかを都電博物館に衣替えするのもひとつの手だろう。

3つの博物館のうち衣替えするなら、北区博物館がもっとも妥当な気がするが、そこには北区がどれだけ都電に対して力を入れているかが問われることになるだろう。



都電展示施設


 都電の屋外展示の準備は着々と進められている。

 近隣住民や鉄道マニアが時折工事の進捗状況を見に来ている。


 都電にとっては初の公の展示施設は、もうすぐオープンする。