飛鳥山公園には、3つ博物館がある。  この3つ、ただ数合わせやお客を集めるために、3つあるわけではない。  この3つの博物館は、みな北区の歴史を隅から隅まで物語っている。つまり、北区を知るには、この3つの博物館を巡れば、北その日から北区通になれるのだ。  しかし、ぱっと見ると、どうしてここに紙の博物館があるのだろう?と疑問に思う人は少なくないだろう。  北区と紙の関連は、隣接する渋沢史料館にて顕彰されている澁澤榮一氏が、北区の水の清らかさに着眼して、ここに王子製紙を創業したことに由来する。  王子駅前を降りて、少し歩いたところには日本洋紙発祥の地があるように、王子は紙の町として、発展してきた。その名残は、全国に4箇所しかない日本銀行券を印刷する国立印刷局の工場が近くにあることからも窺い知ることができる。    とはいえ、現在の王子周辺は製紙業というよりも印刷の町といった趣きになりつつある。 3つの博物館