都電がもっとも混雑する日は、なんと言っても4のつく日である。  4のつく日は、巣鴨地蔵通り商店街の縁日。だから、おじちゃんやおばあちゃん(特におばあちゃん)が、一斉に庚申塚を目指してやって来る。  4のつく日は、大塚駅前行きの臨時電車も多数出される。高岩寺で洗い観音をゴシゴシとこすったおばあちゃんたちは、商店街で買い物をし、食事をしてから帰途に着く。とはいえ、途中のお茶屋(喫茶店ではなく)で、店員さんたち相手に身の上話を延々とするので、これだけで日が傾くまで商店街を闊歩している。  巣鴨地蔵通り商店街の特徴といえば、お店の品台が通り沿いにあるということ。  だから、お客と店員が声を交わしながら買い物ができる仕組みになっている。これが高齢者にとっては、非常に心温まるシステムなのである。  4のつく日は、都電が一番忙しい日ので、貸し切り電車を申し込む際の注意として、「4のつく日は、なるべく避けてください」と都電の職員から言われることもある。 巣鴨地蔵通り商店街