街と電停がダイレクトにつながっているという都電の利点がある。電停を降りれば、すぐそこに街が広がっている……。そんな具合だ。  ただ、路面電車の欠点は、架線から電気を得るために、路面電車通りの上空は架線がひしめいてしまい、景観としてはあまりよくない。特に、路面電車は道路の真ん中を走るので、歩道に立てられた電柱から架線を伸ばさなければならず、鉄道に比べると架線がどうしても空を占めてしまい圧迫感を与えていた。  そこで考えられたのが、軌道と軌道の間にポールを立ててしまおうというセンターポールという考え方である。センターポール化を推進すれば、架線はびっしりと空を埋め尽くさず、景観上にもよい。  鹿児島市電が取り入れたこの方式は、徐々に各地の路面電車に取り入れられている。  都電では、もともと併用軌道区間だった小台-宮ノ前を半専用軌道化(法律上は、今でも併用軌道)する際に、センターポール化に着手している。  上を向けば、青空が広がっている。これも歩けるまちづくりの道具として活用される路面電車の魅力だ。 小台センターポール