さあ、連休もあけていよいよ。リスタートです。

ぜひ、このゴールデンウィークの先生や子どもたちの様子をおしゃべりしてくださいね。

「ピシッと」させなきゃあとか「きちんと」やらせよう。とか。あまりそんなこととらわれたらだめですよ。

スポーツでもなんでもそうですが、間隔が空きますと取り戻すのに一定の「時間」がかかります。

あわてないで。もう一度4月のベースと土台をゆっくりと復習しながら、新たなるスタートへの舵を切ってあげて

ください。いろんな風景をゆっくり眺め　　こどもたちの表情を愛しみながら。

なんでもいいです。先生方の連休の「楽しかったこと」と「なんかうまくいかなかった失敗談」（笑）をひとつずつ

明日の朝の会でしゃべってあげてください。

「よい子でないと見捨てるぞ」「きちんとしないとほっておくよ」という脅し。つまり大人が親が教師がこどもたちを

思うとおりに動かそうとするその操作主義の教育子育てこれが一番「危険」です。

こどもは「こども」であるがゆえに不完全でずぼらで。いい加減で　できないことがいっぱいあります。

いやいや大人だってそうでしょう。

人間は「弱さ」も「不完全さ」をかかえているのが人間らしさなのです。

「できること」だけでなく「できないこと」も大事にしてあげてください。それが子ども達の成長のジャンプ台です。

こどもたちは、ありのままの自分を、けして「よい子」ではない。だめなところも弱いところも悪いところもある丸ごとの

自分をしっかりうけとめてもらっている。そういう「愛情」を求めています。

【部分によって全体を否定されるような評価】

「あなたはほんとうはいい子なんだよ」トットちゃんがこどもの頃、周囲のこどもとは違う突拍子もない行動をしていたとき、

トモエ学園の園長先生がかけた言葉です。

　毎日、毎日、いろんな場面で子どもたちの「気になる」「怒りたい」ような行動が目につくかもしれません。

　けれども、それに対してシャワーのごとく毎日毎日注意や否定的な言葉を言われると子どもたちは、「自分を見失って」

しまいます。自分がわからなくなります。

　いや、言葉以上に「無視」されたり、「ほおっておかれたり」すると言葉ではいい表せない「精神的苦痛」を感じます。

　人間として生まれたこどもたちは無限の成長する可能性をもって生きています。

マイナスをプラスに。質的な変化をそのこどもとのかかわりの中で子どもとともに試行錯誤しながら生み出していく

ということが「教育の営み」です。それは強制でなく威圧でなく「じっくり」と「やさしく」「やわらかく」時間がかかる

ものです。

　否定的な行動のなかにあるこどもたちのいろんな「しんどさ」や「苦悩」もぜひ想像してあげてください。

　そしてなぜ子どもがそういう「現れ」をするのか。ぜひ考えて思いをよせてあげてください。

　教師であるみなさんだってそんなことは山ほどあると思います。

　勉強がわからんないで困っている子ども達も「ほんとうはわかりたい」と思っています。

　けれども、どんどん進んでいく授業のなかで、わからないが拡大再生産していくばかりで。どうしたらいいの? 「わからへん」

　と叫びたいけど、それを言ったら「怒られる」不安。

　どうぞときどき立ち止まってあげてください。

　一番クラスの中で困っているこどもが「わかった」「そうなんだ」と言える授業こそすばらしい授業です。

　クラスのなかでいろんな問題を次から次へと起こしたり、みんなができることをできないこどもたち。

　彼らだって「同じようにやりたい」と思っているかもしれません。そばにいってていねいに姿勢を子どものまなざしに

　あわせて「どうしたん?」と聞いてあげてください。ひとつひとつ折り紙を折り方を教えてあげるようにひとつひとつ

　順番に教えてあげてください。「こうすればいいんだよ」いっしょにやってあげてください。

　こどもたちにはこどものペースがあるし、苦手なこともたくさんあるのです。

どうぞ明日　こどもたちにやさしく　笑顔で　おおらかに　声をかけてあげてください。

きっとこどもたちは「安心して」前へ歩いていくでしょう。

子ども達との出会いの喜びを～⑧ 高垣忠一郎さんから学ぶ⑫ 「自分が自分で大丈夫」