家族と一緒に観ることをお勧めする二人の母の物語を紹介します。

舞台 <祈りの言葉-Litanei>は、イム・ガンヒ、カン・エシムとピアニストのイム・ヒョンジョンの三人が主演を務める作品です。

この作品は、ピアニストの独奏会の観客として入場した二人の女性の物語を描いており、独奏会が遅れることになった時、女性Aが口を開き、自分の人生の物語が始まります。その時、客席の扉が開き、一人の女性が入ってきますが、女性Aに続いて、女性Bも自分独自の物語を語り始めます。

 



二人の母、子供を亡くした母

異なるように見える二人の母に共通点がありました。それはすぐに明らかになった、それは "子供を失った母"でした。

北朝鮮に住む女性Aは、北で建設されていた柳京ホテルの過酷な工事のために息子を失い、韓国に住む女性Bは、成水大橋の崩壊で娘を失いました。

自分の恋愛物語から子供を産む一連の過程まで、交互に話す二人の母、椅子に座りながら淡々と人生を語る演出と、ますます高まる役者たちの演技が、最後に子供を失った悲しみをさらに高めました。

 




劇かミュージカルか、見所が満載の舞台

通常、演劇では必要な音響のみを使用しますが、舞台 <祈りの言葉-Litanei>は異なります。

ミュージカルのように、公演の途中で歌で物語をつなぎました。父を懐かしむ心、子供の初めての一歩を応援する心など、女性たちの感情を歌で表現し、観客の感情をさらに高めました。

華やかではありませんが、交互に女性AとBを照らしていたスポットライトは、観客が彼女たちの物語に集中できるように助けた照明であり、実際に北朝鮮の街並みに出ているような気分を味わわせる音響と共に、女性Aが柳川を懐かしむ背後に見える葦原が舞台をより豊かにしました。

また、二人の母が幼い子供と過ごした時間を視覚的な映像メディアを活用して表現しました。

 

 



"すべての魂は平和の中で安息を..."

舞台 <祈りの言葉-Litanei>の最後は、ピアニストのイム・ヒョンジョンによるシューベルトの <祈りの言葉-Litanei>の演奏で幕を閉じます。悲しみと希望が共存しているような穏やかな旋律が、社会が造ろうとした構造物によって犠牲にされた子供を亡くした二人の母を慰めるかのようでした。

さらに、この舞台自体が今も続く社会的な悲劇に苦しむ人々に、または子供を失い悲しみに沈むすべての親に慰めを送ろうとする作家の小さな応援のようにも思えました。

舞台を初めて見る人には、舞台の形式や内容がやや難しく感じるかもしれません。しかし、すべての人が一度は見てみたい作品であり、再演があれば特に家族と一緒に見ることをお勧めします。

 

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