せっかく書いたので
https://russia2018.yahoo.co.jp/column/detail/201807090006-spnavi/?p=1
こちらスポナビにて配信されたベルギーvsブラジル戦のレビュー記事となります。
「字数制限」ということで削除せざるを得なくなった個所がありますが、自分にとってはこの試合を解く上で外せないものとなるので、この場を借りて紹介させていただきます。
読んでみてください。
⚫︎後半に入ったブラジルはウィエリアンに代えフィルミーノを1トップに入れジェズースを右ウィングに移動しますが、真ん中が主戦場のジェズースを右にという判断はどうだったのか。
58分にチッチ監督はジェズースを諦めドグラス・コスタを右ウィングに置く決断をしましたが、やはりスピード・パワー・突破力に秀でた「左利き」の選手が入る効果は明らかでした。
図抜けたスピードと突破力を持つコスタによって、ヴェルトンゲンサイドが窮地に陥ったことは明らかでした。
コスタのカットインからのシュートや左サイドへの展開も加わった事でマルセロやネイマールがより良い状態でボールを持てる形になった事を見ても、後半のスタートからコスタを投入していればという悔いがチッチ監督には残ったかもしれません。
後半のブラジルの攻撃で見られた変化の一つに、ネイマールとコウチーニョのポジショニングの工夫がありました。
前半は4-3で組むブロックの外側でプレーする事がほとんどでしたが、後半に入ると二人のうちのどちらかはブロックの「手前」でボールを持つようになり、加えてもう一人はブロックの中もしくは脇に立つようになりました。
これによりベルギー守備陣は前半より「内側」に絞らざるを得なくなり、マルセロがよりボックス近くでプレーできるようになります。
51分の攻撃がまさにこれで3MFの手前にネイマール、脇にコウチーニョ、そしてフィルミーノが中間ポジションで相手守備を内に絞らせたところからマルセロへと展開。
ムニエの寄せが若干遅れた状態からの1対1となり、反転して縦に抜け出したマルセロからのクロスにフィルミーノが足を伸ばすもわずかに合わずという決定機を作り出しています。
トップに入った「魔法使い」フィルミーノの巧みなスペースメイクも効果を発揮し、55分にフィルミーノが明けた中央スペースにパウリーニョが飛び込んでシュート、クルトワの勇気ある飛び出しに止められてしまいましたが決定的な場面を作ります。
この後も56分にはジェズースのドリブルに対しコンパニがタックルで接触という際どい場面もありましたが、判定はノーファウル。
そしてこの後にドグラス・コスタが投入され、更にブラジルの攻勢が強まります。
前半とは明らかに配置に変化を加えたブラジル攻撃陣によってベルギーの「4-3」ブロックはより内側に固めざるを得ず、60分にはコスタからのサイドチェンジをボックス内で受けたマルセロがシュート性のクロス。
62分、ボックス内からの仕掛けでヴェルトンゲンを縦にちぎったコスタから速いクロスが入るもクルトワが指先でなんとかコースを変え決められませんでしたが、攻撃時のスタートポジションに変化を加えたブラジルは怒涛の攻撃でゴールに迫り続けました。
ブラジル代表と言えど相手の守備に対するより正しいポジショニングがとれなければ効果的な攻撃を行うことが出来ないのがサッカーでありワールドカップ。
ベルギーの立てた戦略と戦術が功を奏し結果的には前半に奪った二つのリードで逃げ切る形となりましたが。
とは言えブラジルも後半に入ってからの怒涛の攻撃は凄まじく。
個人的にはより多くの選択肢を周りの選手に与えられるロベルト・フィルミーノの存在が特に守りを固められた状況においては必要になると思ってみてきましたが。
後半からピッチに立つと巧みなポジション取りとスペースメイクで多くのチャンスを味方に与えていました。
この試合でも55分のパウリーニョのボックス外からの突破のきっかけを作り。
1点差に迫るレナト・アウグストのヘッドでのゴールの場面でも、コウチーニョがゴール方向を向いたタイミングで同サイドに顔を出してコンパニを引き付け、尚且つ左手でアウグストに「パスを出せ」とコウチーニョにメッセージも送っていました。
また80分に迎えた決定機、コンパニのクリアをマルセロがコウチーニョにパスしレナト・アウグストへと繋ぎゴール正面からフリーでシュートという場面でも、コウチーニョが顔を上げたタイミングでやはりコンパニを引き付けレナト・アウグストの前に誰もいない状況を作るポジションをとっていました。
以上になります、読み辛かったと思いますが最後まで読んでいただきありがとうございました。