夢の終わり | 戸田和幸オフィシャルブログ「KAZUYUKI TODA」Powered by Ameba

夢の終わり

  日本のワールドカップが終わりました。

一時は2点をリードし、強国を追い詰めましたが。
2枚のカードを同時に切り、死に物狂いで襲いかかってきたベルギーは強かった。

この試合、FIFAから両国の代表OBを代表してということで招待していただき。

VIP席にて試合を観戦させてもらう幸運に恵まれました。

スタジアムには中山雅史さん、福西崇史さんなど自分より相応しい適任者が来場していましたが。

皆さんテレビの仕事が入っていたようで、おこぼれで回ってきたVIP対応。

自分など、と断ることは簡単でしたが。

自分だからこそ出来ることはないかと考え、引き受けました。

FIFAの重役から、ベルギーサッカー協会の関係者までたくさんの重要人物が集まる空間。

日本を代表してそこに自分はいるのだという自覚と責任を感じながら、出来る限りポジティブな印象を与えられるよう拙い英語ではありましたが挨拶含め笑顔で話をしてきました。


こちらはベルギーサッカー界のレジェンド。

1982・1986年ワールドカップに出場し、バイエルン・ミュンヘンでも活躍されたGK、ジャン・マリエ・プファフさんです。

小さな頃、ワールドカップで活躍するプファフさんを見ていた僕はその事を伝えつつ。

「我々にとってはビッグチャレンジとなりますが、両国にとって素晴らしい試合となることを願っています」と話をさせてもらいました。

実は試合開始前に我々2人はピッチレベルに下り、両国サポーターに対して挨拶をする役目を預かりました。


自分のような人間が、あの場で言えることなどありはしませんでしたが。

日本サッカー協会を通じてFIFAから受けた依頼は、責任をもって全うすべきだと自分を奮い立たせ。

「強い相手に勝ってこそ価値がある。日本から応援に来てくれた皆さん、勝利を信じて最後まで一緒に応援しましょう」と挨拶をさせてもらいました。

残念ながら試合には敗れましたが。

日本代表チームの素晴らしい闘いを見た、あの場にいた全ての関係者から。

日本サッカーに対する高い評価と労いの言葉をいただきました。

本来なら僕のようなたいしたキャリアもない人間が足を踏み入れられる場所ではありませんでしたが。


今回様々な事情が重なり、日本代表OBとしての重要な役割を与えられることとなり。

日本サッカーを代表し参加する責任を最大限意識し、失礼のない振る舞いを心掛けました。

何人ものVIPから日本サッカーに対する賛辞の言葉をいただいたという事実は、この場を借りてその場に居合わせた者として皆さんにお伝えさせていただきます。

ベスト16の壁は、今回も打ち破ることは出来ませんでしたが。

あの試合を見た全ての人が感じたもの、彼らが見せてくれたものを。

如何にして未来に繋げ、膨らませていくことが出来るか。

それこそが、このワールドカップに連れてきてもらい。

決勝ラウンドの一回戦までの4試合を見させてもらった我々に課せられた役割、使命だと思います。

しかしながら。

本気になったベルギーは、本当に強かった。

アザール、ルカク、コンパニ、デ・ブライネといった
まさにワールドクラスの選手達と。

日本の選手達はよく渡り合ったと思いますし、スタジアムで死力を尽くして闘った彼らを見て。

心から誇りに思いました。

いつになるか分かりませんが。

近い将来、こういった強国を打ち破る日を夢見て。

今日からまたスタートです。

自分自身、何をどうしていくべきなのか。

どんな自分になっていくべきなのか。

しっかりと考え、今まで以上に努力していきたいと思います。