今日は応援団 | 戸田和幸オフィシャルブログ「KAZUYUKI TODA」Powered by Ameba

今日は応援団

  今朝は4時半起床しロストフへと移動してきました。

いよいよ今夜、我らが日本代表はベルギー代表と闘います。

フランスvsアルゼンチンの凄まじい点の取り合いから始まった決勝ラウンド一回戦。

アルゼンチン、ポルトガル、スペインという大国が倒れ。
メッシ、ロナウドのスーパースターが大会を去ることになり。

昨日は戦術面でも非常に見応えのある2試合、共にPK戦まで縺れる接戦となりました。

それにしても、ロシアがここまで来るとは流石に予想出来ず。

スペイン・アルゼンチン・ブラジルにフランスと、強国に胸を借りる形で必死に強化を図ってきましたが。

国民と、スタジアムを埋め尽くした大サポーターの後押しもあり見事スペインを撃破。

スペインはイエロ監督の慎重過ぎる采配、ボックス手前に人垣を作る超守備的なロシアに対し。

コケを最終ラインに落とし、ゲームコントロールに優れるブスケツがボールに触れる事なく中盤を彷徨うというやや不可解な役割分担も見られ。



FIFAのホームページに出ているロシア戦でのスペインのスタッツを見てみると。

この試合でのブスケツのパス総数は86本(120分)
一方ピケ130本、ラモス185本、そしてこの試合ブスケツと横並びで起用されたコケは160本。

このチームの心臓であり、バルセロナとスペインがこれまで見せてきたサッカーの中心を担ってきたブスケツのパス数が。
テクニックレベルは十分高いもののパサーというよりは動きでチームに貢献するタイプのコケの約半分の数でした。

果たしてこれが何を意味するのか。

一概には言えませんが、スタジアムで見ていた者としては「ブスケツが死んでいる」と感じました。

この試合にコケを起用した理由がロシアのカウンター対策、もしくは中盤の強度を上げることにあったのだろうということは理解出来ましたが。

あれだけボックス前まで下がるロシアに対して、時に2CBとコケ・ブスケツの4人が後ろに並んでいるバランスの悪さは気になって仕方がありませんでした。

局面を打開する為にはバランスの良いポジション取りがまず大前提としてあり、スペインの場合はそこからのコンビネーションプレーが必要になるわけですが。

ブロックの外側にしか人がいない状況が多く、ジエゴ・コスタ、シルバは次第に孤立。
イスコは孤軍奮闘するも個人では打開しきれずと。

ロシアのカウンターを警戒するあまり、「ボールを保持し続けながらブロックの中に割って入っていく」事が最後まで出来なかったスペイン。

頭が下がるほどのロシアの頑張りに拍手を送りながらも、イエロ監督の慎重過ぎる采配がロシアに最後まで粘らせてしまったことも間違いなく。

初戦の2日前に監督が代わるという異常事態の中でも、グループリーグを何とか突破したスペインでしたが。

監督という存在と采配の重要性と、チームとしての全体像やプランニングが如何に大切かを改めて実感した試合でした。

そして今夜、あと数時間後には我々の代表がベルギーに挑むことになります。

どういったメンバー、プランでこの生きるか死ぬかの大一番に臨むのか。

まずはそこが重要となります。

ポーランド戦については、明らかに6人代えた影響が。
良くない方向に表れてしまいましたから。

運も味方をしてくれ、決勝ラウンドに進出することが出来た日本代表が。

如何にして強国に立ち向かうかを楽しみにしています。

そのベルギー戦について。

昨晩のTBSでの番組内にて、どういった闘い方をすべきなのか僕の考えを紹介するコーナーがありました。



こちらになります。

フランスvsアルゼンチン戦の前に収録されたものでしたが。

若干僕が伝えたかった事とは違う内容に編集されており。

出来上がった映像をチェック出来たのは、番組放送開始の1時間ほど前だったので修正することも出来ず。

そのまま流れることとなってしまいました。

・ベルギーは左サイドの「方が」守備は弱い
・前線からの守備でサイドに追い出せ
・3バックの中央にコンパ二ではなく、ボヤタが出てきたら狙え
・出来る限り効果的にボールを保持すること

そして僕が一番最後に力を込めて話したことは。

「国を代表して闘う誇りと使命感を胸に堂々と闘って欲しい」ということでした。

ロシアがスペインに勝った理由には、素晴らしい守備組織とカウンターの形がありました。

しかし、あれだけの時間ボールを保持され続けた中。
ブロックに隙間を作らず守り続けることはなかなか出来ることではありません。

彼らは走ったんです。

ビックリするほど、彼らは良く走り闘いました。

彼等が示した闘う姿勢と最後まで走り抜く気持ちの強さがなければ。

いくらスペイン側に不備があったとはいえ、あの勝利はなかった。

僕はいつの間にか「理論派」というような形容のされ方をしていただける解説者になり。

それは非常に有り難いことだと感謝しています。

但し、サッカーは。

ピッチに立つ選手達にとって最後に必要なものは
如何に勝利の為に己の全てを投げ打って走り、闘うことが出来るかという「気持ち」の部分なのです。

僕のような立場の者が、立派に闘ってくれている彼等に対して。

「闘え」などと今更言う必要はありませんが。

彼等なら立派に走り抜き、闘ってくれることを信じて。

収録の一番最後にそんな言葉を言わせてもらいました。


あくまで番組から依頼を受けて、地上波用に簡単にまとめたものを紹介させてもらったものではありますが。

やはり本人の意向とは別の方向に向かってしまうことは多々あります。


収録したものをチェック出来なかったことについては。

日本とロシアでのやり取りもある中、理解してはいますが。


番組を見た人達には、自分がそこで表現したかったことをきちんとお伝えしたかったので。

補足という形で紹介させていただきました。


たいしたことではないのでしょうが。


これが自分のスタイル、自分の口から出た言葉には責任を持たなくてはならないので。

お伝えさせてもらいました。