キエフ | 戸田和幸オフィシャルブログ「KAZUYUKI TODA」Powered by Ameba

キエフ

  昨シーズンに続き、チャンピオンズリーグ決勝現地解説という大役をスカパーさんからいただくことになりました。

サッカー解説者として、これ以上ない大きな舞台となるCL決勝、しかも現地からの中継という大舞台。

今シーズンをもってチャンピオンズリーグの放映権を手放すことになったスカパーさんによる、最後の決勝戦。

その試合の解説者に選んでもらえた大きな喜びと、最後の決勝現地中継を素晴らしいものにという責任の両方をしっかりと感じながら、明日の決勝戦に向け準備を進めていこうと思います。




昨晩キエフの空港にて撮影した写真です。

今日はこれから前日会見、練習も見に行くので後ほどまた写真と見た感想はアップしたいと思います。


「リヴァプール VS レアル・マドリード」

間違いなく、世界最高峰の闘いとなります。

世界トップクラスの選手を多数抱えたチーム同士の闘い、両チームのプレースタイルを考えても昨シーズンの決勝以上にアグレッシブでエキサイティングな試合になるのではないかという期待は膨らみます。

昨シーズン、チャンピオンズリーグ史上初の連覇を達成したレアル・マドリード。
前人未踏の3連覇がかかります。

一方、ホッフェンハイムとのプレイオフを制し、14ー15シーズン以来のチャンピオンズリーグ(その時はグループステージで敗退)出場を果たすと、攻撃的なサッカーで攻めに攻めて決勝まで辿り着いたリヴァプール。

お互いに「守る」ことより「攻める」ことを信条とする者同士の激突、それが決勝という一発勝負の大舞台でどんな闘いを見せてくれるのか。

楽しみは尽きません。

クロップ監督によく鍛えられたチームをベースに、マネ・フィルミーノ・サラーという今一番の3トップを擁するリヴァプール。

ゴールキーパーと片方のセンターバック、そして自陣での守備に一抹の不安は抱えるも、カウンターのスピードと破壊力は今一番のチーム。

ビッグマッチほどパッション溢れる闘いを見せてきたリヴァプール、彼らの得意とするゲーゲンプレス・超高速カウンターが炸裂すれば十分に勝機はあります。

不安要素があるとすれば、ローマとの準決勝1st leg以降、ややチームパフォーマンスが低調なところでしょうか。

全体的な強度も上がり切らずだったローマとの2nd legでは4失点。

その後に行われたチェルシー戦でも来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権がかかる重要な試合でしたが。
スペースを消され、持たされ、強度も足らずに抑え込まれての敗戦。

最終節のブライトン戦では、昇格シーズンに見事残留を決めたチームが相手ということもあり、試合自体は難しくなく、速い攻撃も機能し4ー0の勝利。

ソランケを1トップに置き、フィルミーノのトップ下という4231での闘いは、深みを取りスペースを活用するていうの意味で非常にポジティブものを見せてくれましたが、明日の試合ではどういうチームをクロップ監督が選ぶのか。

マドリーとの力関係を考えた時に、ゲーゲンプレスからのショートカウンターと、サラーとフィルミーノの2枚残しでのロングカウンターを狙う闘い方を採用するとは思いますが。

その場合は通常通り433となり、ブロック形成時には左ウィングのマネが4ー4のブロックの中盤左に加わることになります。

ただ、ローマとの2nd legのようなブロックを作る位置が曖昧だと危うくなると思います。

全体の強度が素晴らしく高く、その上で一撃必殺のカウンターを炸裂させることが出来れば。

ズルズル下がる守備ではなく、下がったとしても強い矢印を前に向けた闘い方が出来れば。

リヴァプールにも十分勝機はあると思います。

モハメド・サラーがこの試合でも輝きを放つことが出来たら、スーパースターへと一気に駆け上がることになるでしょう。

2年と少し前、サンティアゴ・ベルナベウで行われたチャンピオンズリーググループステージ、レアル・マドリード対ローマ。

現地で見たその試合にサラーはローマの選手として何度も決定機を迎えながらも決めることが出来ず、チームも0ー2で敗れました。

その時以来のマドリーとの試合、サラーが王者相手にどんなパフォーマンスを披露してくれるのか。

失うものは一つもない、チャレンジャーとしてリスク覚悟で真っ向から勝負を挑むリヴァプールが見たいです。


そんな厄介な相手の挑戦を受けることとなった、現在2連覇中の王者、レアル・マドリード。

常に危うさを見せながらも、圧倒的な個の力を存分に発揮して今シーズンもここまで来ました。

全てのポジションにワールドクラスの、アスリートとしての能力も最高レベルの選手を揃えるマドリー。

本気になった時の彼らは、本当に強い。

明日の決勝に向けての焦点は、前線の顔ぶれをどうするのか、この一点に尽きます。

カウンターの速さ、決定力いう視点で見れば、やはりリヴァプールの方に軍配が上がる。

だとすれば、イスコを使い、よりボールを持ちゲームをコントロールする方向で考えるのか。

もしくはここに来て調子を上げているベイルとロナウドの2トップにして、持たされてのカウンターを未然に防ぐ意味も含め、リヴァプールに持たせる前提でマドリーも速く攻めることを考えるか。

はたまたパリとの2nd legのように、バスケスとアセンシオを両SHに置いたソリッドな442を採用し、ベンゼマにヘンダーソンをマークさせるといったしっかりとした守備から入り速い攻めを目指すのか。

中盤のメンバー選考はどうなるのかなど。

ジダン監督のメンバー選考とゲームプランに注目です。

そして。

明らかにシーズン後半に照準を合わせていたと思われる、クリスティアーノ・ロナウド。

17ー18シーズンが始まって以降、年が明けるまでの成績は 22試合出場、16得点。

この数字でも十分素晴らしい成績ですが、その内訳を見てみると、CLで9得点、リーガで5得点、CWCで2得点となっています。

シーズン前半の16得点のうち、明らかに力の劣るAPOELとの2試合(3-0,6-0)で4得点(2得点ずつ)挙げていますが、トッテナム・ドルトムントとの対戦でも5得点挙げており、特にCLで力を発揮した前半戦だったという言い方が出来ます。

それが年が明けて以降。

21試合出場、28得点に激増。
内訳を見てみると、CLで6得点、リーガでは何と22得点です。

CLでは準決勝バイエルン戦では2試合共にノーゴールに終わりましたが、パリ・ユベントスというメガクラブ同士の闘いとなった4試合で6得点。

リーガにおいては18・19・22節でノーゴールでしたが、残りの18試合で22得点を挙げています。

シーズン前半に見られた重さ、バランスの悪さは見事に消え去り。

ユベントスとの1st leg で見せたとてつもないバイシクルシュートに象徴されるように、身体が良く動くようになり反応も鋭さを増しています。

守備での献身性も見せつつ、ボックス内でのマークを外す動きの巧みさは、芸術的とも言えるほどです。

そして、これは偶然なのかもしれませんが。  

年明け以前と以降の出場試合数が、明日の決勝戦でちょうど22試合ずつと同じになります。

シーズン前半に出場停止もあったり、勝ち上がり次第で試合数は変わるものなので、まったくの偶然なのかもしれませんが。

特にシーズン後半は、リーガ優勝の可能性も早々と消えてしまったこともあり、適度な休養を与えられながら試合に出れば得点を挙げるという、凄まじい活躍を見せてきました。

主役が最高の働きを見せた時。

マドリーは3連覇を達成すると思います。

その主役を輝かせる為の人選、闘い方を何にするのかがサッカーにおいても非常に重要となる。

伝えなくてはならないことがたくさんあり過ぎる、この最高レベルの試合を、如何に言語化出来るか。

自分の存在価値が問われる、僕にとっても今シーズン一番の仕事。

まさに大一番となります。

ワールドカップの前に、一足お先に世界最高の闘いを目の当たりにしてきます。


実況には西岡明彦さん、まさに最高の試合に相応しい素晴らしいアナウンサーとの仕事。

西岡さんとは常日頃から中継でご一緒させてもらっていますが、自分のことを良く理解してくれている方。

間違いなく良いテンポ・タイミングでの会話が出来ると思いますので、試合を見る皆さんにとってストレスのない、でも試合をより楽しむことが出来る中継になると思います。

皆さん、チャンピオンズリーグ決勝は是非スカパー!にてご覧ください。


そしてこの試合の振り替えも、6/1に開催される出版イベントの中で行いたいと考えています。

中西哲生、小澤一郎という素晴らしいアナリストも迎えその場にいる人だけが得られる新しいサッカーの見方、楽しみ方を提供します。

昨日チケット販売が始まりました、もうじきなくなってしまうかもしれませんので、是非お早めに予約をして一緒にサッカーについて語りましょう。



こちらが予約サイトになります。

一人のサッカージャンキーとして、このスポーツが大好き、だけどもっと知りたい、という探究心溢れる仲間、サッカーファミリーにお会い出来るからことを心から楽しみにしています。