分析するということ | 戸田和幸オフィシャルブログ「KAZUYUKI TODA」Powered by Ameba

分析するということ

  昨日夜に放送されたテレビ朝日「ゲットスポーツ」内にて日本対UAE戦の分析・解説を行いました。

今回のワールドカップ最終予選が始まる少し前に中西哲生さんから声をかけていただき先日のUAE戦まで代表戦が行われた後に毎回試合の分析と解説を行なってきていますが映像に手を加えながら細かいディテールにまで迫るという事で言うとおそらく今日本のメディアにおいては非常に珍しい貴重なものだと思います。


放送が日曜深夜という事と関東ローカルでの放送のみという事でどれだけの人に見てもらえているのか分かりませんが今自分の中にあるサッカーの知識とサッカー観を全て動員し出来る限り細部まで拘り哲生さん・スタッフさんと協力して番組を作っています。

公共の電波に自分の考え・意見を乗せて発信するという行為、そこには当たり前ですが責任が生じます。

ましてや日本を代表する選手達が集まる代表チームの闘いについて言及するわけですからそこには大きなリスクも抱える事となりますがだからこそ僕は喜んでこの企画に参加させてもらってきました。

何故なら代表チームの試合はたくさんの人が見るキラーコンテンツですからより多くの人達にサッカーそのものの持つ魅力や代表チームの闘いを正しく伝えられるチャンスだと考えているからです。

サッカーを文化にしたい。

その目標に向かった一つの試みとして、ヨーロッパでは一般化されている試合を噛み砕き伝えていくという難しくはあるがやり甲斐のある仕事を普段の中継はもちろんの事ゲットスポーツでも行なっています。

チームや選手、監督。
そしてもちろん対戦相手についても出来る限り正しく把握をした上でチームコンセプトは何か試合を闘う上でのプランは何か、それに対しての相手チームはどうかなど多角的に見て予想も立てつつ実際の試合の中で行われたものを上に記したものに照らし合わせて評価する。

そこには例えば僕自身が持つ「サッカー観」は入ってきません、そして自分の持つサッカー観が必要だとすればそれはピッチ上で行われているものを正しく理解する為に用いられています。

つまりは自分の中にあるプレイスタイルに対する好き嫌いでは分析は出来ないししてはならないという事です。

フラットな視点で見て良かったところは良かったと評価をし上手く出来なかったところについては課題として提示をさせてもらいつつ自分なりの改善策を示す事。

そのチームの監督が考え作ってきたプレイスタイル・チームコンセプトを正しく理解した上で実際の試合でそれがどれくらい実行・実践出来ていたのかを見る事が必要になります。

上手くいってもいかなくてもその理由を両チームを良く観察した上で考え見つけ自分なりに結論づける。

そんな形で行なっています。


中継の良さはその瞬間に見ている人に伝えられる事、ただしリプレイやスローを使った丁寧な提示は出来ません。


振り返りの番組の良さは試合の中から象徴的な場面を選び映像を加工しながらより時間をかけ丁寧に伝える事が出来る、ただしリアルタイムではないのでいわゆる「後出し」感が出ます。

この「後出し」感が僕は好きではありません。


後からなら何でも言えるでしょとなってしまう部分がどうしても出てくるからです。


だから本当は中継が一番ですし中継の中で提示をしつつ試合後すぐに振り返り番組があるのが一番理想的、ヨーロッパでは普通にある形です。


実際の作業は試合をリアルタイムで見ながらたくさんのメモを取っているのでその場ですぐ出せるのですが番組の日時が試合から離れれば離れるほどこの「後出し」感が増します。


ゲットスポーツの課題はここにあるのですがそうは言っても日時は変えられませんから一度見て書き出したものから時間をかけて先週末でいえば20分の尺の中で何をテーマにして言及していくべきか必死に考えます。


こういった作業は僕自身の勉強にももちろんなりますがサッカーが好きな人がよりサッカーが好きになってくれるように、サッカーに詳しくなかった人が少しでも理解が深まっていくきっかけになるようにこれからも分析番組にも全力で取り組んでいこうと思います。


最後に珍しく番組の告知ですが

【徹底検証】UCLバルセロナ×パリサンジェルマン ~なぜ史上最大の逆転劇は起きたのか?~
放送日時:2017年3月30日(木)後9時~後10時


という番組がスカパーにて放送されることになりました。


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1st legをパリから中継した者として参加させていただきましたが分析出来る事と出来ない事がそれぞれあるサッカーの歴史に残る闘いをこの若輩者がと言われる事を覚悟して、たくさんの時間をかけて準備をし臨みました。


こういった番組がこれから増えていくきっかけになってくれたらという願いも込め全力で取り組んだ60分の番組、是非見てもらえたらと思います。