試験で結果を出せる子 | 東大合格へわが子を導く「我が家の教育戦略」

東大合格へわが子を導く「我が家の教育戦略」

東大生の母親のブログです。
子供が東大に合格して分かったことは、「東大は、特別な子だけが行く学校でない。」ということです。ここでは我が家がたどった教育戦略をお話ししていきます。

●試験で結果を出せる子

息子の友人の中には、普段はごく普通の子に見えても、試験用紙に向かうと信じられないような能力を発揮する子供たちがいます。

その中でも一番の驚きは、N君です。

N君は、息子と小学校からの大学までの竹馬の友です。東大の入学試験では、理Ⅲの合格点を超える400点越えの成績で合格していますし、中学受験では、一度も過去問を解いたことのない開成中学にさえ合格している驚異の存在です

でも、N君は、異色な存在でした。なぜなら、世間で言われる頭のいい子、頭のいい子を育てる家庭とは、ちょっと雰囲気が違っていたからです。

今回は、N君から試験で点数を取ることのできる能力について、考えてみたいと思います。

N君の家庭は、普通のサラリーマン家庭で、お母さんは専業主婦、3人のお子さんという家族構成です。日々の家計をやりくりしながら、子どもの教育費だけは、削りたくないと思っているごく普通の家庭です。

N君のお母さんはこちら:東大生の母親像(2)

N君は、3歳から公文を始め、小学校4年生になるまで公文を続け、一旦中学受験のために中断をしましたが、受験が終わると再開し、数学も英語も中学の時点では、高校課程を修了しています。

中学受験の準備ですが、4年生から地元の小規模の四谷大塚の提携塾に通い中学受験を目指したのですが、最初はYTネットの組分けテストでも、下から1/3程度の成績でした。

ところが、学年が上がるにつれて、どんどん伸びて6年生の終わりでは、全体でトップテンに入るほどの成績になったのです。ここまで成績がよければ、どんな学校でも受からない訳がないのですが、N君のお母さんは、独自の考え方を持っていました。

うちの子は、東大に絶対に合格するから、わざわざ電車賃を払って、満員電車に揺られて、遠くまで通わなくてもいいんだ。

と、言うのです。

事実、腕試しで開成中学に合格して、辞退するという結果になったのですが、この一件は、小学校のお母さん達に長く語り継がれる伝説になりました。

N君の勉強のスタイルは、「じゅうたん爆撃」方式で、何度も何度も同じ教材を繰り返し勉強し、すきまなく徹底的につぶすというものです。

ですので、初見の問題や、ひねった問題は、得意ではありません。中学受験時代の模試では、たとえば算数だと、最後の応用問題の2問は完全に捨てて、まったく手をつけず、その代りに残りは100%得点するというものでした。

これは、私には衝撃的でした。当時の私には、難解な問題が解ける子=頭のいい子=難関校に合格する子という図式が成り立っていたからです。

N君のこの勉強のスタイルは、大学受験まで終始変わりませんでした。陰では、あんなやり方では早晩ダメになるという声も影でありましたが、日本の大学入試の頂点に立つ東大入試数学でさえ、110/120点という神の領域に達しています。

でも、勉強方法は、徹底したパターン学習です。これは、たぶん通常の受験常識では、説明できないんじゃないかと思います。

私は、N君を子供の頃から見ていて、試験に強い子ってこんな子なんだなとつくづく思います。そして、受験には、ひらめきとかオリジナリティーとか、頭の柔軟性とか、そんなものはそんなに重要なことではないということを、まさに実感しました。

人間の生まれもった能力には、そんなに差がなくて、努力さえすれば、勉強は必ずできるようになるのです。また、そうでなければ、寂しいと思います。

そして、見える学力と見えない学力の間には相関関係はあるけれども、必ずしもイコールでないということも、N君の成長をずっと見守っていて思うのです。

N君のご家庭の本棚に本がないとか、右脳教育がまったく成されていないから、将来的には、伸びないだろう、そんなことを言われ続けても、N君は東大に入る前も入ってからも、ずっと優秀でした。

私は、「見えない学力」を子供に付けてあげることの見返りに、「見える学力」を求めることは、ちょっと違うと思います。

「見えない学力」とは、人間の能力の根源的な部分であり、大人になってからのさまざまな試練に立ち向かうための全人格の基礎を指すのではないでしょうか。

子供には、少しでも人間的に豊かな人生を送って欲しい、だから、私は、「見えない学力」を子供に付けさせてあげたかったのです。

とは言っても、子供の時の情操教育が人生のすべてを左右する訳でもないと思います。子供たちには、皆、人生をタフにしなやかに生きていって欲しい、でもそれは、大人になった彼らが、自分の頭で考え、自分の力で切り開くものだとも思います。


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