東大が発表した25年度新課程での社会科目の発表。とりあえず、現時点では、理系の共通テスト社会選択に

影響がある感じ。なお、25年度新課程での文系二次に関しては、「歴史総合」の上に立つ「日本史探究」「世界史探究」がまだ教科書さえ実現していないので、なんとも言えない。23年度の高2から始まる。

 

理系の東大受験者の社会科目は「公共(必修)+倫理」、次いで、「公共(必修)+政治・経済」を選択することになるだろう。極一部、地理的センスに優れた人は、「地理総合(必修)+地理探求」もあり得るかもしれない。

 

21世紀、しばらく、東大理系のセンター試験社会は、2単位科目で楽な、倫理か、政治・経済(倫理より大変だが、センターの問題のみ型にはまっており、やりやすかった。【共テになって出題者が覚醒、地理のように初見統計を読み取って考える問題など難化した。】)が定番だった。

 

日本史B、世界史B、地理Bは、高校で4単位科目で、量が多いからだ。

それが、課程改定時に、東大が塞いで、2単位掛ける2の「倫理+政治・経済」のみ(単体禁止、東大では従来から現代社会ダメ)となり、これが主流となった。

 

「倫理+政治・経済」となっても、日本史B、世界史B、地理Bよりは、相対的には量が少なく、東大理系では主流だったわけである。今回、「倫理+政治・経済」が再び分解されて、総合的な必修科目の「公共」が入るとは言え、理系東大受験者には朗報だろう。

 

従来、倫政以外では、従来、日本史B、世界史Bよりは、地理Bの方が、暗記量が少ないので、理系に人気があったが、統計データを読み取る思考力問題が多く、地理的センスがあり向いた人以外には、結構高得点が難しい科目だった。

 なお、ドラゴン桜1の世界史B選択はあり得なく(東大生聞きかじりで文系と理系の混同)、センターの日本史Bは、私大ほど細かい知識がないので、うまい参考書で効率的にやれば、地理よりは「あり」かなと考えていた。

 

しかし、今回、理系の共通テスト地理で、歴史系は、歴史総合(必修)+日本史探究」となるので、あり得なくなった。

 

歴史総合(必修)は、今回の新課程の鳴り物入りであり、例えば、明治維新も世界史との絡みで把握するというように、日本史と世界史を融合した科目となる。それは、高校教育界では、画期的とされるが、受験生としては大変となる。つまり、日本史探究を選択しても、必修の基礎「歴史総合」部分で、事実上、かなり世界史の負担が生じてしまう。

 理系ではあり得ないが、世界史探究を選択しても、必修の基礎「歴史総合」部分で、日本史の負担がある程度、生じてしまう。

 

では、地理はどうかというと、地理総合(必修)+地理探求」とセットになり、これも受験生としては負担増である。必修の地理総合がほぼ全く新しい科目であり、自然地理と結びついた防災教育、国際理解、地域振興とか、従来の地理とは非常に異なる。東大文系の地理ファンの西岡とかが「地理」が必修になると大騒ぎしているが、従来型の地理が世界史並みに必修となるわけではないのだ。私大などで、地理を新設する大学もほとんどないだろう。

 

地理探求に関しては、地理総合という必修科目が入ることにより、現状の4単位から3単位に減るが、

内容は、従来の地理Bとあまり変わらないのではないかと言われている。