東大の大学院と言ってもかなり細分化されており、一概に言えませんが以下は比較的忙しく入学難易度の高い理系大学院に通っている私の見解となります
卒業単位取得要件
学科にもよりますが私の周りの学科は10〜20程度の授業単位+研究による単位+ゼミによる単位+修論です
博士課程の場合は授業の単位数は2単位で、あとは研究による単位と博論による単位のみです
授業単位自体は少ないのですがだからと言って楽というわけでは決してなくむしろ逆で、この授業単位の少なさは大学院生が"学生"ではなく"研究者"とみなされていることを意味します
所属している大学院生の出身大学
これは東大:他大学=1:1くらいです
というのも東大の殆どの大学院は学部の時の倍くらいの定員を取っているからです
大学院入試(院試)
基本的に科目は専攻によりかなり違うのですがどこも英語がある点で共通していると思います
また、理系の場合は数学を課せられる事が多い気がします
やはりどの分野であれ数式が根本に存在しているからだと思います
また、東大の院試は東大生でも普通に落ちます
問題作る先生も授業やってる先生と同じではないと思いますし、内部進学だから有利とか不利とかはないです(専攻によってはあるかもしれませんが)
ただ、東大の場合演習の授業で膨大な量のかなり難易度の高い問題を解かされるのでその点では有利かもしれません
他大学出身でかなり高得点で入学している人も知っていますし東大生でも院試落ちた人は私の周りだけでもそれなりの数います
院試の難易度は研究室と年によってかなり違いますが理論や数式をいじる事が多い研究室は難易度も上がる傾向にある気がします
因みに教養学部の一部の専攻などは人気のなさから実質定員割れしてるらしく、入るのはかなり簡単らしく、学歴ロンダ目的の人で溢れていると聞きます
(余談ですが国内大院へのロンダは意味がないです。研究目的以外でロンダした人は無駄に2年間の学費と時間をドブに捨てることになるだけなのですが、そういう人たちはそこまで頭が回らないのでしょう)
日々の生活
平日の授業のない日は研究室に行き研究を行いますが解析など家で出来る事が多い人はあまり顔を出さない人もいます
土日は修論の直前など忙しい時を除いてはフリーな時間です
とはいえ多くの人が論文を読んだりゼミの資料作りをしたり何かしら研究を進めたりしていますが
また、大学院生は夏休み、冬休み、春休みなどの長期休みはありません(お盆は流石にありますが)
修士のうちはいくつかのゼミに所属していることも多く、その場合ゼミの勉強もする必要があります
ゼミの内容は大学院レベルの(大体の場合英語の)教科書を輪講形式で読んでいく事が多いです
他にも最新の論文を読んできて発表する形式のものもあります
輪講の発表者の発表形式は黒板に書くこともあればスライドを用いることもありそれはゼミによります
また、学部のゼミと大きく違うのは学部のゼミはとりあえず大体の流れを理解して、数式を追っていればいいのですが、大学院のゼミは深い理解を求められます
出てくる数式一つ一つの科学的意味を理解する必要があり、発表中に先生に問われることも多いです
その背景の知識や定理の理解、そこから何故導き出されるのか、それが分かると何の役に立つのかまで理解している必要があるのです
研究室選び
研究室選びの際には研究室見学は必須です
専攻によってはこれを出願条件として課しているところもあります
研究室で見るべきなのは先生より学生です
そこに入れば先輩となり深く関係する存在になるのは勿論のこと、先生が言いづらいようなことを教えてくれることが多く、面接など大学院入試について教えてくれることもあります
研究室で打ち出している研究内容は先生方が主導で行なっている研究である事が多いです
そのため実際にその研究室に入った時どのような研究を行うかというのはそこの学生が行なっている研究がかなり参考になります
なので、研究室選びの際には学生に是非会って何をしているかなどを聞く必要があるのです
また、研究室選びの際に気をつけて欲しいのはブラック研究室より教授が全く生徒に干渉しない完全放置研究室です
全く干渉しないので修論/博論の書き方も教えてくれませんし何をしたらいいか何も教えてくれません
そのため他の先生に助けを求める必要があり、その研究室に入る意味が全くなくなってしまうのです
これを見分けるにはそこの研究室に行っても仕方ないので似た分野、近い研究室の見学に行ってそこの学生から直接聞く他ありません
このような完全放置研究室は東大だけでなく他大学にも存在を確認しているので多分どこの大学にも一定数いるのでしょう
因みに同様の方法でブラック研究室も分かります
また、これは他大学になるのですが、かなりおすすめなのが総合研究大学院大学(総研大)です
研究室を探している人は一度研究室選びの候補の一つとして目を通しておくと良いでしょう
実際私も、携わりたいプロジェクトが東大の他に総研大でもできるとのことだったので第一志望の研究室に落ちたら総研大に行くつもりでした
総研大はかなり優秀な学生と素晴らしい先生が多いのにも関わらず入学難易度は知名度の低さ故、そこまで高くない(勿論、専攻にも大きく依ります)ためとてもおすすめです
ただ一つ気をつけて欲しいのは総研大は修士で卒業することが(記憶が確かならば)できません
そのため、研究者になりたい人以外にはお勧めしません
とはいえ、研究できる以外に大学院に行くメリットは殆どないのでそこまで大きなデメリットではないと思いますが