こんにちは。塾長の川上です。

 

新築の校舎に移転してから10カ月ほど経過しました。

塾移転のお話は当ブログでご報告しましたが、それ以来

全く更新が止まってしまいました。非常に忙しい日々

を過ごしていたため、ブログに回す時間がとれずに

もうしわけございません。今後、徐々に復活していきます。

 

さて、今回は、生徒のタイプ別の接し方について考えて

みたいと思います。生徒の勉強について、生徒のタイプ

を区分する際に、「勉強が好きな生徒と嫌いな生徒」

「勉強が得意な生徒と苦手な生徒」にカテゴリー分けする

と本質が見えてくるのではと思うのです。

勉強が好き、勉強が嫌いといっても定義があいまいです。

親が監視しなくても机に向かって宿題をやるかやらないか

くらいの定義にしておきましょう。

 

そこで、①勉強が好き×勉強が得意 ②勉強が好き×勉強が苦手

③勉強が嫌い×勉強が得意 ④勉強が嫌い×勉強が苦手の

4タイプにカテゴライズして考えてみます。それぞれのタイプの

説明、どういうタイプがそうなるのか、塾の講師や親はそれぞれの

タイプにどう対応すればよいのか、検証してみたいと思います。

 

①タイプについて

 

勉強が好きで勉強が得意なタイプです。

はっきりいって、塾講師や親にとってこれほどありがたい子供

はいないでしょう(笑)

 

自分でどんどん勉強するので、親としては勉強のやりやすい

環境さえ与えておけば問題なく伸びていってくれるような

気がするのではないでしょうか。

 

塾講師としても対応しやすいタイプの生徒です。ただ、こちら

の予習がきちんとできていないと、鋭い質問に慌ててしま

うようなこともあり、気が抜けないタイプでもあります。

しかし、やりがいのある生徒であることは間違いないです。

 

このタイプで注意すべきことは、挫折に慣れていないことです。

挫折からうまく立ち直れないと勉強が嫌いに更に苦手になって

しまう可能性すらあります。挫折を乗り越えられるかどうかは

親や講師の力量にかかっています。プレッシャーが大きいと

挫折に耐えられなく押しつぶされてしまいます。適度なプレッシャー

は必要ですが、過度なプレッシャーは禁物です。期待をかけたくなる

タイプなだけに、匙加減が難しいのですが、車のハンドルに遊び

があるように、要求する成績の範囲を広めにとるのが良いと

思います。そして、成績を戻すための方法を一緒に考えてあげましょう。

何が悪かったので成績が落ちたのか、何を改善すればもとに

もどるのか、具体的・論理的に話し合ってみましょう。

全くプレッシャーをかけないのもお勧めできません。やはり身近な

大人に認められるからこそ勉強が好きになれるのです。

 

②タイプについて

 

勉強が好きだけれども苦手というタイプです。

何事にも真面目に取り組む子に多いタイプです。

こういうタイプが講師にとっては実は一番やりやすく、

成績が上がってくれると嬉しいタイプでもあります。

親としても、何にでも真面目に取り組むし、好感が

もてるのだけれども、もう少し要領よくやればと

歯がゆいところもあるかもしれません。

 

こういうタイプはどうやったら成績が上がるのか

という点に焦点を絞って指導していけばよいです。

あとは、更に勉強を好きになってもらうために

勉強の面白さを教えてあげれば伸びることもあり

ます。勉強が嫌いではないけれども、勉強は

やらなければならないからやっているという場合

もあるので、もっと積極的に好きというレベルに

引き上げてあげていくのも良いと思います。

 

このタイプは先程ふれたように、勉強の要領が

悪いわけで、勉強の手順をしっかりと一から教えて

あげれば確実に伸びていきます。ただ、爆発的

に伸びるかというと疑問があります。成績がずば抜けて

いる人というのは、ある種のいい加減さを身に付けて

います。テストというのは、時間内に多くの問題を解かないと

いけないわけですからスピードが求められます。

数学についてはパターンを体に染み込ませ、深く考えなく

ても解答できるレベルにする必要があります。

国語や英語の読解については、一字一句読んでいては

時間が足りないのでポイントを押さえて理解

する必要があります。

こういった思考を身につけられるかがポイントです。

 

③タイプについて

次は勉強が嫌いだけれども勉強が得意なタイプです。

少なそうで割といるタイプです。そして、このタイプが

一番手を焼きます。うちの生徒でも何人かいたの

ですが、出席しない、落ち着かない、といったこと

が多く、まともに授業をするのが大変です。

 

このタイプには2パターンあると思います。

1つ目は、非常に能力が高く、ただ、学習指導要領に沿った

授業には興味を示さないタイプです。学校の勉強は得意

だけど、教科ごとの差が激しい場合が多いです。

2つ目は、非常に要領の良いタイプです。授業のノート

を要領よくまとめ、テスト直前に集中して勉強して

成績を確保するタイプです。個別指導にはあまり

来ないタイプですが、来た場合でも、テスト直前だけ

出席したがるようなタイプです。

 

前者は世渡りが下手なタイプ、後者は世渡りが上手い

タイプと言えるかもしれません。両極端ですが、

世間一般との乖離が激しい点は似ていて、人間関係

でトラブルを抱える可能性が高いのではと思います。

ですので、教科の指導と同時に、若しくはその前に

協調性、相手の気持ちを考えることなどの教育を

する必要がありそうです。

 

④タイプについて

最後に勉強が嫌いで苦手なタイプです。

たぶん個別指導塾に一番多いタイプで一番個別指導塾が

適しているタイプでしょう。そして、日本人の多くは自分が

このタイプだと考えているのではないのでしょうか。

日本人は謙虚なんですよね。

 

小学1年生をイメージしてみると、勉強が嫌いという子供は

そんなにいないのではないでしょうか。小学1年生にとって

勉強は遊びの延長でとらえる場合が多いのではないでしょうか。

日常生活で感じるふとした疑問、なんで空は青いの?

なんで電車の中で飛び上がっても同じ場所に着地するの?

などは理科という枠組みで捉えれば勉強になるのですが、

彼らにとっては好奇心の延長であるはずです。つまり楽しい

気持ちでいるはずです。本来勉強は楽しいものということを

小学1年生のふとした疑問が気付かせてくれるのです。

 

しかし、学年が進むに連れ、勉強が楽しくなくなる子供は

増えていきます。中学・高校に入ると、勉強が自分の将来

にとって重要なものとなっていき、プレッシャーの原因と

なっていきます。勉強は、疑問を解消し、好奇心を満たす

過程ではなく、青春の貴重な時間を削りながら意義も分

からない努力を義務付けられる過程へと変貌してしま

うのです。明らかに社会環境が勉強嫌いを増やして

いるわけで、大人の責任といえます。

 

社会で生きていくことはつらく苦しいことの連続であり、

勉強の大変さくらいに耐えなければ社会で通用しないと

私も思います。社会性を身に着け、大学卒業程度の

一般教養と専門性を獲得しなければグローバル社会で勝ち残れる

人間にはなれないと私も思います。

ひと昔前、高学歴を得れば一生食いっぱぐれないと

信じられていた時代がありました。グローバル社会が到来し、

リーマンショックなどの不景気も重なり

学歴神話は崩壊しました。でも学歴が無意味になるかと思えば

そうならず、プラスアルファで資格武装する人が増えました。

社会が不安定になるほど人は拠り所を必要とする訳で

学歴・資格以外に拠り所となるものがなかったわけです。しかし

実情は東大卒でもピンキリで食っていけない人間も存在します。

資格ホルダーもしかりです。

 

一体なぜそうなってしまうのか?一つ目は、学校を卒業したり

資格を得たりした瞬間に努力をやめてしまうからです。それま

でに苦労をした分を取り戻そうと努力をやめてしまうのです。

しかし、今や学歴や資格が一生を保証をしてくれるという

幻想を持てるほど日本に余裕がないわけです。努力をやめ

れば格差社会の闇に飲み込まれるかもしれません。

一生勉強、一生努力を継続しなければなりません。

でも勉強が嫌いな人にとってはそれは苦痛でしょう。

努力をやめてしまうのも仕方ありません。小学1年生のときのまま

勉強が好きであり続ければ、努力の継続も苦痛ではなくなります。

二つ目は、与えられた課題には強いが、一から課題を設定する

ことが苦手だということです。より深く考え、洞察する力がなければ

一からの課題設定は難しいです。でもこれって先ほどの小学1年生

の素朴な疑問を振り返れば、彼らは彼らなりに深く考えて洞察して

いるのだと気づくのではないでしょうか。彼らは遊びの延長で

深く考え洞察しているのです。学歴に頼れないけどすがるしかない

先の見えない世の中で深く考え洞察する力は不可欠です。

でも、小学1年生でも立派に実践しているのです。我々にもできる

と思えないでしょうか。

 

小学1年生から学べること、それは、「勉強とは遊びのように楽しいものである」

「一から課題を設定することは思ったより難しくない。純粋に物事を

見て疑問を持つことだ」ということかなと思います。大人たちが焦り

子ともにプレッシャーを与えたくなる気持ちは分かります。しかし、

それは逆効果になる可能性が高いのです。小学1年生から学び、勉強を

楽しめるようになること。これが大切なのではないでしょうか。

 

当塾の指導方針である「書かせて、読ませて、考えさせる」の根底には

以上のような考えが凝縮されているのです。