コースは昨年に比べ距離と獲得標高が増えて170km・10000mとなり、制限時間が30分伸びて46:30となりました。

現地のシャモニーの天候はレース開催前から好天に恵まれ、レーススタート当日からずーっとピーカンでした。
去年は雨の中でのスタートだったので良いコンディションで走れる事が予想され、期待で胸が膨らんでいました。
(この天候故に後で地獄が待っている事をこの時知る由もなかったのです・・・)
快晴の中、ゲートに1時間以上前に並ぶことになったのですが、現地は17時位だというのにまだまだ日が高く、きつい日差しにさらされながら待つことに。
何故かレース当日から下痢気味。
薬を服用していましたがなかなか収まらなく、ちょっと不安な気持ちでスタートを待ってました。
■シャモニー ~ コンタミン・31km(関門:0:00)
沢山のギャラリーの中をスタート、街を出て走り始めます。
暑さとお腹の調子のせいか、なかなかペースが出ず。
最初の一山超えての下りで体がふわふわする感覚に。
そして補給するたびにお腹の調子が悪くなり、序盤からチカラが入らなくなりつつありました。
それでも雨だった去年より足元が良かったおかげでなんとか序盤のきつい関門であるコンタミンに22:56に到着。
そこで待ってくれていたサポーターさんに色々食べ物を用意してもらったのに胃腸が優れず、ほとんど口にすることが出来ずでした。
そこから最初の大ボス、ボンノム峠に不安を抱えながら向かいました。
■コンタミン ~ コンバル湖・66km(関門:9:30)
1300mほど登る最初のボス山、ボンノム峠に。
去年のレースで、登れど登れどピークに辿り着けなかったセクション。覚悟はできていたけど本当に長い登りでした。
補給もままならずペースが上がらないものの周りのペースから落ちること無くイーブンペースで峠をクリア。
2400m以上の標高で真夜中だったのにも関わらず、吹いている風は生暖かく、半袖でも汗ばむ位。
去年は新月で満点の星空だったけど今年はほぼ満月で明るい夜空でした。
ボンノム峠のピークを超えて長い下りセクション。
足元が硬い岩場を駆け下りることになるのですが、その冒頭に激しく転倒。
左膝と頭を激しく痛打。しばらく動けなく横たわる。
横を駆け抜けるランナーから都度声を掛けられるたびに「I’m OK!」と親指を上げて答えるのが精一杯。
まだ長い下りが残っている場所で動けなくなるのはちょっとやばいなぁ、と思いつつ膝の調子を恐る恐る確認。
出血はあるものの走るのには支障は無いことがわかり、再開。
頭は買ったばかりのサングラスが身代わりになってくれて怪我はなかったようです。
次のエイドのシャピューで簡単に手当をしてもらい、+1000mほどの次のピーク、セーニュ峠を目指します。
去年の経験が有ったのでペースの入れ方がわかっていたし、なかなか見えないピークに心が折れることもなく割りと余裕でピークをクリア。
そこから300m下ってから今回の新しいコースの登り返し。
ここがエグい足元で登りはもちろん、そこからの下りがガレガレで歩くのが精一杯。
結果、去年のタイムに+1.5時間かかって8:00位にコンバル湖エイドに到着。
関門時間に対する貯金を稼げなくて激しく動揺してしまいました。
■コンバル湖 ~ クールマイヨール・79km(関門:13:00)
コンバル湖では、シャモニーでの宿で一緒になった小田さんと再会。
彼も補給で苦労しているとのこと。
彼のリスタートを見送り、エイドで補給。結局バナナとオレンジしか胃に入らず。
カロリーはコーラで補う、という状況。
ここからの登り、日差しが出てきて登りが徐々にしんどくなりつつ、景色が素晴らしくそれが救い。
次のピークは+470mほどのモンファーブ。
去年もいらっしゃった日本人女性スタッフさんに今年も写真をとっていただく。
そこから途中のちょっとしたエイドを挟んでクールマイヨールまでは長い下り。
関門時間の貯金が増えていないため、ここの間をしっかり走りました(少なくとも自分ではしっかり走ったと思いますw)。
ただクールマイヨール直前のきつい下りも無理目のペースで下ったら、平地に辿り着いた瞬間ガス欠。
暑さにもやられて街中をトボトボ歩く位までペースが落ち、なんとかかんとかクールマイヨールのエイドに到着。
ばってばて状態で腰をおろし、ドロップバックからの荷物の入れ替えや靴を履き替える動作がのろまでのろまで。。。
気がついたらあっといまに1時間消費してしまい、相変わらず関門時間の貯金が増えない焦りが。。。
関門時間が13:00の所、11:45位に何とかエイドを出発。去年はここで3時間の貯金が有ったのに。。。
■クールマイヨール ~ アルヌーバ・96km(関門:18:15)
エイドを出て、沢山のギャラリーからの応援の中のんびり走り始めます。
日差しが強くて街中の湧き水で体を冷やしつつトレイルに。
そこから+800mのベルトーネ小屋への直登。
そのキツさは去年経験済み。
なので登る前に補給をしっかりとろうとジェルを口にするも激しく胃腸が拒絶してしまい。
涙ぐみながらも辛抱強くちょっとずつ胃に流し込んでリスタート。
テンポよくノンストップで登り切ることが出来たけど、次のエイドで激しい疲労感。
やっぱり暑さへの弱さがここで露呈。
そこから次のエイド、ボナッティ小屋までは細かいアップダウンを繰り返し。
この間全く胃が補給を受けつけづ、暑さにも朦朧としながら全然スピードが出ず。
この状態ではとても後に控えるコース最高標高のフィレ峠は超えられない、とリタイヤの可能性が頭をよぎり始めることに。
フラフラになりながらも何とかエイドに到着。そこで倒れこむ様に日陰でダウン。
次のエイドに居るサポーターの二人に「多分リタイヤになる」と連絡し、そのまま気を失うように睡眠。
1時間ほど寝たところで正気にもどり、体の具合を確認すると多少胃腸も復活し、体も冷えたお陰で走れそうなコンディションに。
日差しも傾いて暑さも和らいできて、これはイケる!とスイッチが入り、しっかり走って次のエイドアルヌーバに駆け下りました。
補給もほどほどでエイドを出たところでサポータの二人に足をアイシング・マッサージをしてもらい、関門時間まで30分を切った17:50位にフィレ峠に向かいました。
■アルヌーバ ~ シャンペ湖・125km(関門:2:30)
グランコルフィレ(大フレ峠)、このコース最高標高地点である2527mまで+760mの直登。
熱中症気味で1時間寝てだいぶ体がリフレッシュしたのか、いいペースで一気に登り切る。(この間で100人位抜いたようだ)
ピークでは冷たい風が吹いていて、このレースで最初に寒さを感じました。
去年はここからの下りでハンガーノックになり全然動けなくなったセクション。
その反省でピーク地点でゆっくり腰をおろしてじっくりジェルを補給してリスタート。
最低限のペースでなんとか駆け下りることが出来たけど、やっぱり長い長い下りで心が折れるギリギリの状態。
ラ・フリーというエイドはほとんどスルーして次の大エイドであるシャンペ湖に向かいます。
この辺りから日が落ちて二日目の夜に突入。
ラ・フリーを出てからは果てしない、何時終わると判らない長い長いガレ場をやっとの思いで通り抜け、スイスの小さな町に出てホッとするまで3時間以上かかったのですがこの時間帯が一番つらかったかもしれません。
途中何十人ものランナーが道端で爆睡しているのも見かけましたが、彼らは完走出来たのだろうか、と思わずにいられません。
小さな町にでて民家の私設エイドのコーヒーを頂き、シャンペ湖に向かう登りのトレイルに。
この登りでペースに乗れて、感覚的にあっという間に辿り着けました(関門時間がヤバいという印象があって火が着いたんだと回想してます)。
ここでサポーターのお世話になり、またシャモニーの宿でお世話になった日本人スタッフさんの応援も頂き、元気をもらえました。
ちょっとずつだけど、徐々に関門時間の貯金が出来て関門の1.5時間前くらいの1:10位にシャンペを後にしました。
■シャンペ湖 ~ ヴァロルシーヌ・151km(関門:11:15)
後半のラスボス3ピークの最初は+865m。
真夜中だったけどノースリーブで全然大丈夫な感じでとにかく体を動かし続けて登り続ける。
このセクションは歩く、というより一歩一歩の段差が大きくよじ登る、という感じの場所が多かった。
3時間以上かかってピークをクリア、そこから激下り。
足元は悪くないので助かったけど下りの振動が胃腸に響き、辛かった。
次のエイド、トリエントを出るときは関門時間に対する貯金が2時間ほどになり、この時やっと「完走出来るのかも!?」と思えてきた。
次のピークは+800m、このセクションの登りはペースを刻みやすい印象で気持よく登れましたがピークからの下りは足が終わりつつあるのかペースが出なく、エイド直前の激下りは一歩一歩激しい痛みを感じるように。
でもヴァロルシーヌのエイドが近くなるにつれ応援が増えてきて気持ちが和らいできました。
このエイドでまたサポータと宿のスタッフさんの応援をもらえて、最後の大ボス前の英気を養うことが出来ました。
そして9:25にこのエイドを後にしました。
■ヴァロルシーヌ ~ シャモニー・170km(関門:16:30)
最後の大ボス、モンテ峠までは+870mほどの直登。
日もしっかり高くなり始めた時間帯だったので、また暑さにやられないか心配しながら登り始めます。
結局補給もなかなかままならない状態のままだましだましでここまで来れたけど何時ガス欠になるか不安を抱えながらも良いリズムで休むこと無く一気に登り切れました。
ゴールのシャモニーもそこから見えます。
登り切っちゃえば残りの10kmはひたすらの下り。ところがその下りがツライ。
次の最後のエイドまでの3.5kmは段差の有る岩場が多く、とてもテンポよく駆け下りる、というわけに行かずヨチヨチ一歩一歩歩く感じ。
とにかくコケて怪我して動けなくなるのだけは嫌だったので`慎重に足を運んでようやく最後のエイド、ラフレジュールに到着。
そこでロゲ仲間で、今回宿が一緒だった三好礼子さんと途中でリタイヤされた小田さんが待っていてくれ、ゴールまで並走してくれるとの嬉しいサプライズ!
くだりなのに歩くのが精一杯。歩いているだけでもその振動で胃がキリキリ痛み、それを我慢しながら抜いていくランナーに道を譲りながらゆっくりと下山。
体がツライ状態だけど三好さんや小田さんと楽しいおしゃべりで気が紛れて助かりました。
長い長いくだりを歩き倒してようやく街のハズレまでつくとそこに宿のスタッフの皆さんが待ち構えてくれてました!
みんなで談笑しながらのんびり街中を通過し、そのままゴールまで一緒に行こう!と言うことに。
日の丸を取り出して皆で街中を練り歩き、ギャラリーからの声援をしっかり受け止めながらじっくりゴールに向かいます。
ゴールゲートが見える最後のストリートに入った瞬間、盛大な声援が降りかかってきました!
レースタイム44:44ほどで何とかゴール!
■レースを終えて
本当に今回のレースは暑さにやられた、という印象です。
本当に、本当にアルヌーバでリタイヤすることになると覚悟しました。
でもその前のエイドで一時間気を失うように寝れて、体が冷えて胃腸も回復したのがポイントだったようです。
夜に眠くて寝る、ということは無かったんですが暑い昼間こそ寝るのが有効だったんだと思います。
また、今回は山口さん、前田さんというサポーターを立候補してくれた方の助けもあり、また三好さんを初めシャレーで一緒になった小田さん、スタッフの皆さんに最後のチカラを貰えて嬉しかったです。
もちろん日本で応援してくださった友人の皆さんの見えないチカラも後押ししてくれたのも間違いありません。
例によってレース中は「これで最後!」と思いながらもがいていましたが今となっては「また来年シャモニーに!」という気持ちであふれています。
やっぱりあの素晴らしい景色と感動のゴールを経験するとやみつきになってしまいますね。
カララが動く限り、そして今回お世話になったシャレー・ジャポニールさんがある限り、毎年行きたいと思えて来ました。
長文を最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
※写真を提供頂いた三好さん、翔太くん、ありがとうございます。













