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目玉の『父さん』

早いです。
ご葬儀から一週間が経ちました。(:_;)

ドラマや舞台でもそうだけど役柄の設定が家族だったりすると特別な感情が湧いたりするものです。

特に親子関係。

それは声のお仕事でも同じです。

『ゲゲゲの鬼太郎』で
第3期の鬼太郎の声を担当した私は田の中勇さんを長く『父さん』と呼ばせて頂きました。

実際、何回呼んだ事でしょう…。


タノさんは私の実父とも一歳しか違わない。

『父さん』或いは『タノさん』と呼ばせて頂いてました。

タノさんは私のことを恵子ちゃんと。


一時。めっちゃご近所に住んでたんですよ。世田谷の上馬。お家は歩いて一分くらい。

もうほぼお隣り感覚でした。

勝手に自分達の地域を『ゲゲゲ村』って名付けてました。

朝もよく一緒になったりして。
女子高生みたいにお喋りしながら地下鉄に乗ってスタジオにも行きました。


タノさんはとにかく優しくてお茶目!そして品格がおありでした。


目玉親父のあの声はどうやって決めたんだろう…。

私は何も知らないんだな…。

でも
鬼太郎の声を真似る人は滅多に居ないと思うけど

目玉親父の声は誰でも一度は真似たことがあるんじゃないかな。

偉大なる業績。

目玉親父はアニメ界のアイドル。永遠のアイドルです。


一昨年は鬼太郎の映画で歴代の鬼太郎が勢揃いしまして。

タノさんにも久々にお会いできて嬉しくて皆で写メも撮りました。

ブログにもアップしましたよね。つい昨日のことのようです…。


ご葬儀。

祭壇のお花は目玉親父の形になってました。

その花の中に『うん?何じゃ?』って微笑んでいるようなタノさんのお写真が。

独学で学んだピアノを趣味としてらしたタノさん。葬儀場にも柔らかなピアノ音楽が流れ…。

お別れ近くなったら鬼太郎のテーマソングも流れて…。

♪お化けは死なない~って…。

うそ!

目玉親父も妖怪のはずなのに…。タノさんはやっぱり人間なんだ。

死んじゃうんだ……。


そう思った途端、涙がどっと溢れ出たんです。

涙は

訃報を聞いた日に出尽くしたと思ってたけど。止まらなくなりました…。



それから


新聞等、報道とかで『孤独死』の三文字が踊るけど…。

孤独死。って何ですか?

いつからできた言葉だろう。

いつも思う。

誰が孤独って決めるんですか?

難しいことはよく分からない私だけど。

孤独死なんて言わないでほしいんです…。

残った側が勝手にネーミングしてるんじゃないかなって思ったりする。

孤独って何を指してるんだろうかって。

一人で死んだら皆、孤独なのか!って思う。

孤独だったかなんて分かるのか!って思うよ。

お一人で亡くなったことは確かに淋しいことかもしれないけど…。

それだけで孤独っていうのは…。

楽しい人生だったかもしれないじゃない。

孤独じゃなかったかもしれないないじゃない。

だからそんな風に言わないでほしいんだ…。


いかんいかん。
またまた涙がボタボタですわ。

タノさんに怒られるぞ。
『おい!鬼太郎!』って。

タノさん。
大・大・大好きでした。
お疲れ様でした。

沢山のお教えと想い出をありがとうございました。

アンパンマンでは『ふでじいさん』の役でご登場下さいましたね。ありがとうございました。

もうあのお声が聞けないのかと思うとホントに淋しいです…。

『ゲゲゲの鬼太郎』で親子ができたことは私の誇りです。

ご冥福を心よりお祈りします…。


忘れないですよ!父さんだもん。


晴れやかな東京。私は今日も稽古です。天国で見守ってて下さい。