天賞堂銀座本店 高級腕時計3億円盗難事件 その2 と デフレ対策 | 曇りときどき晴れ

天賞堂銀座本店 高級腕時計3億円盗難事件 その2 と デフレ対策

朝から慌ただしい。
天賞堂の時計盗難事件の余波がなぜか私に押し寄せてくる。
朝からテレビ局や雑誌、新聞、通信社から何件も取材の電話がかかってきている。

いちばん厄介なのはテレビ局で、「今から取材に行くので(昨年被害に遭った)銀座店の内部に
カメラを入れさせてほしい。」などと無茶なことを言ってくる。

新聞は電話で「すぐ終わりますから」なんていいながら、
「天賞堂事件とセルビー銀座店の事件は同一犯だと仕業だと思いますか?」(警察に訊いてくれ)
「盗まれた時計はどこでどうやって換金されると思いますか?」(こっちが聞きたい)
「天賞堂はいくらぐらいの保険に入っていたと思いますか?」(天賞堂にきいてくれ)
などと、信じられないようなコメントを求めてくる。

リーマンショック以来、高級時計・宝飾品はパッタリ売れなくなってるから、
こんな形でしか業界が話題にならないのはさびしい。

先日会社の社員と「デフレ&不景気対策はどうすればいいのか?」について話し合ったとき、
私は「とにかく浪費しまくること、そして浪費がかっこいいことであるという
社会的コンセンサスをつくるため、マスコミと政府が一緒になってキャンペーンを行なうことだ。」
と意見を述べた。
私は金持ち(総資産10億円以上)がいかんと思う。
今、金持ちの間では投資で儲けることがかっこいいことになってしまっている。
投資で資産が増えても、さらにまた投資にお金を回してしまう。
外部環境の変化によって、投資ポートフォリオが変動するくらいのものだ。

本宮ひろしの漫画「俺の空」で、後に主人公安田一平と結婚することになる東北の老人の孫、
御前一十三(みさきひとみ)に、財界のボンたちが竹取物語ように求婚の証として、
プレゼントを用意するというシーンがあった。
プレゼントの内容が、人気野球球団とかオーガスタゴルフクラブとか、冗談みたいなのが多かった。

1989年には実際にあったことだけど、三菱地所がニューヨークのロックフェラーセンターを買収した。
確かあのディールをまとめたのは、当時42歳だかの三菱地所の歴史上もっとも切れ者と言われた
最年少役員だったように記憶している。
ホンダだって、スーパーカブで一発当てた時、社員全員で一晩京都の夜を買い切るという、
バカげた飲み会を催している。30~40年も前の話だけど、一晩でちょうど一億円飲んだという。
メイテックという会社は、関口房朗が社長の頃、社員用に2~3台フェラーリを所有していた。
簡単な手続きと、数千円と言うレンタル料で免許を持ってる社員なら誰でも借りられた。

縮こまってないで、このデフレだからこそ、この100年に一度の不景気だからこそ、
儲かってる会社や個人は、バーンと使ってほしい。
知的に見られたいからなどというちんけな理由でプリウスやインサイトなんか買わないで、
快楽のいっぱい詰まったフェラーリやアストンやロールスやマイバッハを買いましょう。

世界を変える力があるのは、快楽だけです。
うち?うちは、まだ去年の盗難事件のキズが癒えてないのよ、ホント。