クリスマスイブ by 山下達郎 | 曇りときどき晴れ

クリスマスイブ by 山下達郎

20年ほど前、インターネットも携帯電話もメールもなかった。
IT技術の恩恵にあずかっている今からすれば、どうやってコミュニケーションとってたんだろう、
って、不思議に感じてしまう。
たとえば、友達や恋人との待ち合わせ。
道路が渋滞して時間通りに待ち合わせ場所に行けない時、
今なら「ごめん、今、レインボーブリッジを渡って浜崎橋ジャンクションの合流地点にいるんだけど、
30分くらい遅れるかもしれない。」って、メールをすれば済むのに、
20年前は、待つ方も待たせる方もただイライラする以外すべはなかった。
今のほうがまちがいなく便利になった。
そのかわり、何かが失われたように感じる。

ところで、山下達郎の「クリスマスイブ」が、オリコンで24年連続!ベスト100にランクされた。
http://www.youtube.com/watch?v=-5xLR4q1VGw

山下達郎のクリスマスイブは、1983年に発表になった曲。
キャッチーなメロディに、メロウでロマンティックな詩、
そして一人アカペラによるパッフェルベルのカノンをモチーフにした美しい間奏が、
当時でも話題になり、ヒットした。
それからクリスマスシーンズンになると毎年ラジオから流れるようになった。

何と言ってもクリスマスイブが、一躍メジャーになったのは、
JR東海のクリスマスエクスプレスのCMに使われるようになってから。
今、1988年から1992年のCMをYOU TUBEで観ることができる。
http://www.youtube.com/watch?v=ZGu7SGxNWyo&feature=related

あの頃、コミュニケーション手段が発達していなくて不自由だったけど、
便利になることで失くしてしまったことも確かにある、
JR東海の5本のCMを見ると、そう感じてしまう。
ハラハラ、ドキドキ、ワクワク・・・、今はそんなふうになることもあまりない。
失くしてしまった「何か」というのは、もしかすると「感動」かもしれない。

いずれにしてもクリスマスイブという曲が発表から四半世紀以上経っているにもかかわらず、
全く色あせて聞こえてこないのは本当にすごい。
もっとも、聴く側がノスタルジーやロマンを抱いているからかもしれないけど。

ちなみに、JR東海のCMには携帯電話が普及してからのバージョンがもある。
2000年の冬に放映された。
http://www.youtube.com/watch?v=ruWiLw0ajdg&feature=related

X'mas ExpressのCMがつくられたのは1988年から1992年。
振り返ると、歴史上、日本が最も浮かれていたアノ時代にあたる。
デフレや派遣切りで夢や希望を失いつつある今の日本より、
コミュニケーションが不便ではあったけど、
明日はきっとステキなことが起こる、そう無邪気に信じられたアノ頃の方が幸せに思えるのは、
私だけだろうか。

ともあれ、
Merry X'mas