一瞬たりとも長女の前では素の自分を出せなくなっていました。
常に笑顔、高い声(元々低い声なので大変)、「いつもご機嫌の素敵なお母さん」の仮面を被った生活が始まりました。
そもそも私はひねくれた性格をしているし、育った環境も厳しく、弱音を吐けずに怒りをパワーに変えて生きてきたタイプの人間です。不登校を簡単に受け入れられるタイプの人間ではなかった。
これまで生きてきて培ってきたアイデンティティ、私の傷だらけの40年の価値観を一瞬でも1ミリでもこの家の中で出してしまったら、長女は不安定になる。
そんな状況でした。
娘を生かせるために、自分を殺す。
朝、長女は10時頃に目が覚めます。
目が覚めたら、壁をコンコンとノックします。その音で、私が寝室に行き、「おはよー」と笑顔で声をかけ、長女をおんぶしてリビングまで運びます。
そこから朝食を少し食べ、二人でゲームをする。
「こんなダラダラしてたらダメ!!熱ないなら学校に行って。行けないなら何故いけないのか説明して」と言いたくなる自分が頭の中にいます。
その自分を私がボコボコに殴って刺して殺します。
絶対に言わない。言ってはいけない。言えば、この子が死んでいく。
代わりに、そんなことを言いたい自分を殺す。
心は死んでいるのに、顔は笑顔。そんな勢いで生活していました。