2018年公開の映画について、下の記事で取り上げました。



しかし、MUST案件2つを積み残しており、G.W.にここぞとばかり、レンタル&鑑賞しました。観たのはご存じ、

映画「グレイテスト・ショーマン」のポスター
「グレイテスト・ショーマン」


映画「ボヘミアン・ラプソディ」のポスター
「ボヘミアン・ラプソディ」
です。

はじめに白状しますと、タイトルのとおり、二本とも涙ダダ漏れでした。同じ日に二本観たので、一日当たりの涙量は人生MAXだったかも。

だがしかし、どっちも「感動の涙の後のカタルシス」がやって来ません。なんというか、「泣いた、泣けた」というよりも、「無理やり泣かされた」ような感じ?

モヤモヤするので、自分なりにネタバレ極小で整理してみました。なお、両作とも、バイアス予防のため、鑑賞前後の予習・復習は一切カットしています。

「グレイテスト~」から。本作のテーマは「社会の多様性」、今風に申せばDIVERSITYにある、とみました。この見立ては、

劇中歌"This Is Me"

で一目瞭然かと

テーマには大賛成。しかし、引っ掛かったのは、多様性を象徴するキャラクターらが、異能の天才ばかりであること。

現実に社会から疎外されている人のほとんどは、もっと地味というかフツウの人間です。この事は、実際に見聞きしているので、確証を持って言い切れます。

理不尽な目に遭い、十字架を背負いながらも、文句を言うでもなく、静かに笑いながら生きている人は沢山います。「グレイテスト~」は、そんな人達の尻を叩いているかのよう。叩くのはそこと違うっしょ?

多様性への道を拓くとき、変革が必要なのは、つまはじき“している側”の意識でしょう。上の動画でいえば、1:50前後にチラっと出てくる罵倒する面々。

このオッサンたちの意識が変わるプロセスを描いてくれたら、もっと豊かで厚みのある作品になったと思います。

ちなみに、多様性や寛容さ云々でいうなら、
映画「ズートピア」のポスター
ズートピアの方が、奇しくも皮肉の利いた作品になっていると思います。米国での公開は2016年3月。同年12月、D. トランプ氏が大統領選挙に当選。

続いて「ボヘミアン~」。

本作でガッツリ盛り上がれるのは、「QUEEN初対面」セグメントの方が多いんじゃないかなぁ。QUEENを知らなかった人たちにとっては、楽曲やフレディという男の人生が新鮮に映るのでしょう。

わたしは、QUEENリアルタイム世代のちょい下なので、フレディのことは斜め下から見知ってました。なので、涙している自分を「前から知ってた展開じゃん。なんで今さら泣いてんの!?」と俯瞰してる自分がいたりして…

あと、ストーリー展開が実は涙しずらい構造のような。だって、サクっとスターダムを駆け上がって、好き放題しての「…」なんですもの。「エエやん!、最高やん!」ってなってしまう。

とはいえ、フレディは偉大なのである! 何がスゴいって、作曲・歌唱力・パフォーマンス等々いろいろあるけれど、やっぱ最高なのは“自己陶酔力”だと思います。

あの出で立ち、身のこなしをするまでに意識をアップさせるのは、正に天才! 奇抜なメイクや大掛かりな舞台演出に頼ることなく、キレッキレの動きとポージングを決めまくるフレディのようでありたい!

そうそう、性差を超えて…という点では、「ボヘミアン~」もサブテーマとして多様性を取り上げてるようで、「グレイテスト~」とシンクロしているのが興味深いです。

余談ですが、個人的にフレディといえば、

ノエビア!(笑