鉄筋コンクリートの建造物を巡る旅・鉄コン其古卍 Part 23、ひたち野さんです。


ひたち野の看板

上の看板は経年変化で「Uたっ野」みたいになっちゃってますけど、「味わい」ということでご了承いただければ(汗

ひたち野さんは、筑波山中腹=風返峠(かざかえし・とうげ)の上にあるレストラン。木造建築なので、本来なら鉄コン其古卍から外れる物件。が、外観、特に屋根の仕上げがユニークなので、「アリ」としました!

風返峠の交差点がカオスで混乱したため、航空写真を貼っておきます。




交差点の左下=南西方向が「ひたち野」入口です。ちょっと驚かす様ですが、この交差点で進路を誤ると、リカバリーに往生します。交差点進入時には十分ご注意ください、マジで。


ひたち野の外観


ひたち野さんは、以前は大洗にも店舗を構えてました。しかし、そちらは3.11の被災でクローズ。「あの建屋は、もう見れないのか…」と思ってたら、筑波山にもあることを知り、お邪魔してみました。


ひたち野の外観

建物は、1973年に築200年の合掌造り古民家3軒を飛騨白川郷から移築して出来たもの。いまや先様は世界遺産ですから、なんとも剛毅なプロジェクトをやってのけたものです。

大洗の店舗も同じくらいの大きさでしたから、都合五~六軒をお招きしたのでしょう。スゴいや。


ひたち野の外観


どうやら、1970年前後に白川郷で大々的な移築の動きがあったようです。

調布市深大寺・白金亭さん(2018.11.23火災のため休業中)、富津市金谷・カフェえどもんずさんなども白川郷の合掌造りを移築した店舗なんですネ。


ひたち野のエントランスにつづく階段

特徴的な屋根は、漆喰いの上にパーライトを「投げつけて」作ったとのこと。支配人的オーラを放つ方が「塗っては投げを繰り返して、このモコモコした風合いを出したんですよ」と教えてくれました。

ひたち野の側面

「飛梁」のようにみえる斜め柱の所以を訊くのを忘れてしまった。大洗店にはなかった意匠だと思います。

基礎がしっかりしてるところをみると、歴とした構造部材なのか…。この部材の有無が、3.11震災後の大洗店と筑波山店の命運を分けた、とか?


↓苔がイイ感じ
ひたち野の屋根に生えた苔

店舗に入ったら、久しぶりに「民芸」という単語が脳裏をよぎりました。

ひたち野の内部。古民家ならではの重厚な造り

ときに、ひたち野さん、ランチでも結構いいお値段。「建物見たい!」で来ちゃったわたしは、ランチメニューで一番安いビーフシチュー(2,000円+税)をオーダー。ライスは半分で。

ひたち野の内部

そしたら、予想外に盛りが多いんだもの! 2/3くらいで「っぷ…」となっちゃいました。量の多寡よか、脂にヤラれちゃったのかも。



でも、周囲の爺さん婆さんは肉をがしがし食べてたのよねぇ。この食べっぷりは、つくば市が喧伝するところの「つくばスタイル」ってヤツ?(笑

眺望が良い冬期の訪問がオススメです。