結局は、KYなのよ
私は取り分ける奉公人 派!
鍋でも焼肉でも、奉行がいるならお任せします。
だって、その方がラクでイイじゃーん。
タレの好みはあるけど、その他に拘りなんて一切ないので、ラクな方へ流れますよ。
会社を辞めてからは、他人と鍋を囲む機会はなくなっちゃったけど、今まで勤めた会社にはお奉行様はおりませんでした。
私とつるんでいた仲間は、私と同じくテケトーな人が多いの。
ま、こんな時に任されるのは、既婚者女子。
ミコさんと私が、まあ、最初の担当です。
私はともかく、ミコさんは「頼れる姉御」。
しかも、ご主人がグルメな方なんで、お料理も上手。
ミコさんに任せれば、無問題!
だから、私の役目は、アシスタントといったところでしょうかねー。
ただし、私たちはあくまでも最初の面倒を見るだけ。
「このタイミングで!」とか「この順番で!」なんてメンドクさい話は、一切なし。
食べ頃になったら、
「そろそろ、イイと思うよ~。好きなモノからどうぞ~」
と、声をかけるくらいで、私たちの作業は終了。
後は、ご自由に。
そんな感じで、和気藹々と食事は進むのです。
一方、我が家では。
安上がりなので、鍋率は高いんだけどねー。
もちろん、ご想像通り~。
クマは鍋奉行です。
で、クマの実家でも同じく奉行。
いろんなウンチク垂れたり、自慢したり。
特に、義甥っ子がいた時はうるさかったなー。
当時、クマの実家では、年に数回すき焼きパーチーがありました。
コレには、理由がある。
義姉一家が渡米した時 、義甥は大学に入学したばかり。
そのため、義甥だけ日本に残るコトになった。
義姉の嫁ぎ先はお金持ちなので、両家の基本的なバランスは、金銭担当嫁ぎ先、肉体労働担当クマの実家。
てコトで、義甥は、クマの実家で下宿するコトに……。
どちらの家にとっても、義甥は可愛い「孫」。
だけど、戦前の人の考え方では「内孫」と「外孫」って、大きな違いがあるんだよね。
だから、同じジジババの立場でも、先方からは「ウチの子がお世話になって」となるし、コチラは「大切な預り者」という意識。
(もちろん、孫なので変な遠慮はしないけど)
で、お歳暮やお中元で、「孫がお世話になってるから」と品物が届くんだなー。
内容は決まっていて、金箔入りの大吟醸一升と(多分)グラム3,000円くらいの高級牛肉が1キロ。(・∀・)
(もしかしたら、もっとお高いブツかもしれない)
クマの実家も私たち夫婦も、そんなの自腹じゃ買うコトなんてないのでねー。
そらもう、お宝。
義甥、さまさま~。(^人^)
で、老人2人と義甥だけじゃ食べきれないので、お肉が届くと私たち夫婦もご相伴に預かってたってワケ。
そして、クマの実家に行くと、私が作るの担当。
元々、鍋やすき焼きをやるコトが少なかったらしくて、義母は作るのをイヤがるんだな。
(料理好きなので、鍋は作っていてもつまらないらしい)
「あろちゃん。私、割り下作るの苦手だから、悪いけど仕度してくれる?」
「うん、イイよ」
義母と一緒に野菜を切ったり、割り下を作ったり……。
そして、その時、クマは何をしているかといえば。
私の横に張り付いて奉行ですよ。奉行。
てか、現場監督?
「あああ、ネギはそんな切り方するなよ」
「なんで、白菜をそうやって切るんだよ」
出来もしないのに、いちいち命令。
う・る・せー!
「この切り方はね、この間、料理番組でやってたの!
アナタと違って、有名料亭の板さんが言ってたからやってるの!
自分はやらないんだったら、放っといて!!」
私たちのやり取りを見ている義母。
「アンタ、いつもそんな調子なの?
お父さんみたいに、何もできない人も困るけど、アンタみたいに一々監督されるの、私はイヤだよ~」
だって。
(ま、こんなやり取りは、鍋以外でもあるんだけど)
そして、下拵えを終えて、すき焼き実行部隊へ!
牛脂を敷いて、割り下入れて、野菜を入れて暫くグツグツ。
作り方は間違ってるけど、イイお肉だと煮込んじゃうのがもったいない。
だから、少し煮詰まったすき焼きの割り下で、シャブシャブする感じで食す!
ところがねー。
高級肉って、おいしいけど脂もキツい。
食べ始めてもすぐにもたれちゃうから、みんな、自分のペースで食べるお肉を投入してるの。
すると、横から口を挟んでくる。
「こんなイイ肉、滅多に食べれないんだから、もっと食べろよ!
野菜ばっか食ってんな!!」
「その肉、煮すぎじゃないのか?」
そして、義甥っ子には、
「ほら、T。オマエのバーサンがくれた肉なんだから、オマエももっと食え!」
「いや、お兄ちゃん、ボク、食べてるよ」
「オマエの年で食べなくてどうする!
オレがオマエくらいの時には、もっと食ってたゾ!」
と、次々、肉や野菜をそれぞれの取り皿へ。
「よしなよ、クマ。人には、ペースってモノがあるんだからさ。
押し付けるのはよくないよ」
「押し付けてるワケじゃないだろ。親切で言ってんじゃん」
毎度、こんな調子。
食べてても、美味しくないのよね。
これこそ、「小さな親切、大きなお世話」。
てか、親切の押し売り。
自分はいいコトをしてると思ってるんで、
「オレの親切を、何で受け取らない!」
って、カンジなのよね。
てか、大体さー。
このお肉、アナタが買ってきたワケじゃないでしょーに!
威張ってんなよー。(爆)
人のコトはイイから、おとなしく食えっ!!\(*`∧´)/
ま、そんな、分不相応なすき焼きパーチー。
義甥がクマの実家を出たし、先方のお母様も亡くなられたので、食べる機会はなくなりました。
が。
いつでもどこでも、現場監督なお奉行様は健在でつ。
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