「プライベートプラックティス6」#3 悲しみにたたずんで | 人生にドラマを!~トコの海外ドラマ日記

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海外ドラマ(主に米国もの)を中心に感想などを書き連ねます。
読書や映画鑑賞も好きなので、たまにそんな話もします。
一応それなりに気を使ってはいますが、レビューはネタバレを含みますので、何卒ご了承ください。

「プライベートプラックティス6」です。

<#3 悲しみにたたずんで Good Grief>


PPのファイナルシーズンなんですが、うん、とてもいいんですが、内容がかなり落ち着いちゃってるんですよね。確かにいろいろ事件は起こるんだけど、日常の中の出来事で、なんというか基本的には安心して見ることが出来るっていうか。

出来事よりも人物の心の動きや成長みたいなものを、本当に丁寧に描いているというか。


要するにジェットコースター展開だったこれまでのシーズンとはちょっと違う趣を見せています。

だから観る側も、これまでとは違うスタンスで楽しんでる。


ピートとマークの死に、登場人物たち、特にアディソンがかなり心を痛めています。

二人とも、アディソンの熱烈な恋愛の相手ですからね。

そしてアディソンは、マークとの間柄、そしてそれに通じる、これまでの彼女の過去の行き方を、ジェイクに伝えるべきなのか、隠していていいのかってことを考えて、とても悩んでいるのです。


私なんかは、そんなこと敢えて言う必要ないって思うけど、このドラマに出てくる人ってなんだかんだ言って結構真面目というか、正直だから、結局、話したほうがいいってことになっちゃう。


でもさ、過去ってなんでもさらけ出せばいいってものでもない場合があると思う。

若い頃はみんなそれなりにハメを外したりバカやったり、大なり小なりあるでしょう。

だけど人は成長しているわけだし、年もとってるし、若い頃の過ちを、今更掘り返して、いいってことばかりじゃないんじゃないのかな。不用意に今大切な人を傷つけるだけでは・・・?


とはいえ、アディソンやサムはなんだかんだ言ってちゃんとした人間だから、結局ジェイクに全てを話すことを選ぶ。自分の過ちは、ちょっと間違えましたっていうレベルのことじゃないってアディソンは思ってるから、しっかり話さなくちゃってことで。


んーーー。

確かにアディソンのしたことは酷いんだけど、そのことで一番傷ついたのは自分自身だし、もうそのことは十分すぎるほど償っているんじゃないのかな。

デレクは今幸せだし、マークは死んでしまったけれども死の前に本当の愛に気づいた。

今更、新しい恋人に話す必要が・・・?


とはいえ、ジェイクは、本心がどうなのかはさておき、アディソンのことを受け止める。本当に包容力のあるいい男だよねー。

大人同士の付き合いって、それぞれがいろんなことを抱えているからこそ、相手を許せるってこともあるんだろうね。



さて、一方のヴァイオレット。

彼女もピートという最愛の伴侶を失って深く傷ついているわけですが、早くも仕事に復帰しています。

このタイミングで、ちょっと最悪なことを知ってしまいます。


彼女の患者のひとりであるアダムは、感情のコントロールができなくて、特に怒りをどのようにしたらいいかについて悩んでいました。ヴァイオレットは、彼が過去に重大な秘密を抱えていることを知り、自分には守秘義務があるのだから、過去についてはなんでも話してくれていい、と告白を促すと、とんでもない事実が明らかになるのです。

それは、10年以上前に人を撃った、という告白でした。


いつものヴァイオレットなら、上手く対処したのかもしれませんが、ピートを失って自制心をなくしかけている彼女は、シェルダンに相談して彼からは過去を探るべきではないとアドバイスを受けながらも、気になって、アダムが売った人物がどうなったかを調べてしまいます。その人物は亡くなっていました。

そして、「先生に打ち明けて気が楽になった」と、症状が改善しているアダムに向かって、攻撃の言葉を浴びせてしまうのです。


医師の倫理と人間としての感情がぶつかるところなんでしょうね。

でもやはり、身内を失って打ちひしがれている人間は、医師として客観的に患者に寄り添うことが難しいのであれば、休養を取るべきなのでしょう。

ヴァイオレットの行動は、医師としてはあってはならないことでした。

けれど、責められたアダムがどうしたら罪を償える?と悲しげにヴァイオレットを頼ってきて、初めて目が覚めたようにヴァイオレットは医師としての自分を取り戻します。

「自分自身がよく生きることで、罪を償える」と。


この言葉「よく生きることで償える」は、そのちょっと前に、シャーロットがヴァイオレットに伝えた言葉でした。シャーロットもまた、自分の罪を必死で償いながら生きてきたのです。


いや、ほんとに深いわこのドラマ。


これまでのシーズンのように、派手な事件は起こらないけれど(いやこれからまたひと波乱あるのかもしれませんが)、壮絶な過去をベースに、未来を構築していく大人になりきれない大人たちの生き方を、本当に丁寧に拾っているような気がします。


自分の人生についても、いろいろ思い返しては反省したり、自分を慰め励ましながら、見ています。




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