「パーソン・オブ・インタレスト」#13 罠 | 人生にドラマを!~トコの海外ドラマ日記

人生にドラマを!~トコの海外ドラマ日記

海外ドラマ(主に米国もの)を中心に感想などを書き連ねます。
読書や映画鑑賞も好きなので、たまにそんな話もします。
一応それなりに気を使ってはいますが、レビューはネタバレを含みますので、何卒ご了承ください。

「パーソン・オブ・インタレスト」ファーストシーズンです。

<#13 罠 Root Cause>


今回の話は、一見平和そうで特に問題もない家族の父親にしかけられた罠がテーマでした。

実はこの、平凡な父親であり夫のスコット・パウエルは、ずっとまえから失業中であったにもかかわらず、毎朝職場に行くふりをして、家を出て職探しをしていたのです。

それで悪い人間に目をつけられてしまい、なんと人殺しの汚名をかけられてしまう、というものです。


毎回、マシンが導き出した番号の人間を追うワケですが、今回、マシンがはじき出した人物は加害者に仕立てられた被害者、みたいな話で、なるほど工夫が施されていますよね。



ところで、このドラマ、ここまで来てちょっと興味深い構造になってきています。


ハロルド・フィンチとジョン・リースの犯罪予知ユニットは、警察権力や国家権力とは別のところで動いているわけですが、警察組織の力も必要なため、リースは悪徳汚職警官だったライオネル・ファスコを抱き込んで、彼を利用し、警察の力を利用していたわけですよね。


一方で、ファスコの同僚カーターは、犯罪現場でよく見かけるがどうやら犯人側の人間ではなく、いつも正義の味方的な動きをするジョン・リースに目をつけ、彼を追っていました。そのカーターの眼をかわすためにも、リースはファスコをカーターのそばに送り込み、カーターを監視させていたわけです。


ところが、リースが今度は古巣のCIAから目をつけられる羽目になってしまった。そこでカーターはリース確保のためにCIAに手を貸すわけですが、結局、カーターは自分の命を守ってくれたリースに、シンパシーを持つようになり、CIAを欺くようになります。ひとえにジョン・リースの人間的魅力(ルックス含む)のなせる技だと思いますが・・・


そしてどうなったかというと、なんと今度はリースはファスコの代わりにカーターを利用するようになり、またカーターも犯罪を未然に防ぐため、リースの力を利用するという、お互いウィンウィンな関係になったわけです。


ところがリースはそのことをファスコには告げず、つまりファスコとカーターはデスクもホントに近くにある同僚でありながら、それぞれがリースとつながっていることを知らずに動いているのです。


しかも、リースったら、犯罪予防系の仕事はカーターに頼めるようになったので、ファスコを今度は他の目的で使い始めます。なんと、自分の同僚であるフィンチを調べ始めるのです。


これ、矢印がかなり複雑に交錯し始めてますよね。一つでも糸が切れたら、ちょっと面倒なことになりませんかね?



さて、このドラマを見始めた時からの疑問は、なぜ警察権力でもない人たちが、こんなに大変でお金も労力も相当にかかることをやってるの? ってことだったんですが、今日、気付いたことが一つあります。


古今東西、ヒーローものっていうのは、そういうものなのです。

スーパーマンしかり、スパイダーマンしかり、解決ズバットしかり、です。

警察でも国家権力でもない人たちが、警察とは違ったところで正義の味方という役割を演じ、命がけで市民の安全な生活を守っているのです。


つまり、このドラマは、かなり現代的な背景を取り入れ、ちょっと複雑な人間関係を作っているのでそれとは分からないようになっているものの、結局のところ往年のヒーローものに他ならないのではないか。


だとしたら、「この人たちいったい何のために…?」「お金はいったいどこから出ている?」などと問い始めることなど、愚の骨頂です。

ヒーロー達は昔から、そんな「誰得」な利害関係にかかわらず、正義を守る使命を負っているのですから。


そんな思いが渦巻く今日この頃であります。




▼本日もお読みいただきありがとうございます!

にほんブログ村