映画「NY検事局」(1997年アメリカ)です。
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アンディ・ガルシア演じるショーン・ケイシーは、警官として勤めながら夜中に勉強し晴れて入局した新人検事補。希望と志を胸に、仕事にまい進しようと決意します。
ショーンの父親は長年NY74分署に努めるベテラン刑事ですが、ある時、麻薬密売のボスであるワシントンを逮捕する際、自動小銃のようなもので撃たれ、大けがを負ってしまいます。
そのワシントンの裁判をショーンが担当することになります。
ワシントン側には大物弁護士であるビゴダがつきますが、彼は、その裁判の際、警察と麻薬密売犯とのルートを追及します。
汚職警官の捜査には断固とした態度で当たろうと決意を新たにするケイシーでしたが、その汚職警官の名簿に、父の名が挙がってることを知り・・・
若き日のアンディ・ガルシアが、真面目で初々しい新人検事を好演していますが、その光り輝く正義感とは裏腹に、現実の社会というのは一筋縄ではいかない、白黒ハッキリ付けられないことも多いことを知っていく日々。
こう書くとなんとなくありふれた帰結ですが、大変に重いテーマやメッセージを受け取りました。
ショーンは決して恵まれた環境で育ったわけではないものの、父親の深い愛情に包まれて、まっすぐに育ってきました。父子の関係は強いきずなで結ばれているのが分かります。その敬愛していた父に、汚職警官という疑惑が浮上。しかも、父の長年のパートナーであった刑事は、汚職を認め、ショーンに助けを求めてきます。汚職を忌み嫌うショーンは激怒し、志を貫くためその申し出を突っぱねるわけですが、そのために大変に不幸な事態を迎えてしまいます。
どうしていいか分からなくなって途方に暮れてしまうケイシーは、地方検事を辞めることさえ考えますが、その相談をした弁護士のビゴダの口からは、ショーンが想像していなかった言葉が語られることになります。その言葉に救われると同時に、検事としての新たなステージに立ったケイシー。きっと何かが吹っ切れ、多少なりとも霧が晴れたような気持ちになれたことでしょう。
常にフェアな気持ちで職にあたり、法を犯すことなく正しい判断をすることを迫られる検事という職ですが、実際の事件にあたると、何が正しくて何が間違っていることなのか、その線引きは容易ではないはず。
そんなことを、大変分かりやすい映像表現で教えてくれる作品です。
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