キミはいったい誰の味方?【映画】「リンカーン弁護士」 | 人生にドラマを!~トコの海外ドラマ日記

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海外ドラマ(主に米国もの)を中心に感想などを書き連ねます。
読書や映画鑑賞も好きなので、たまにそんな話もします。
一応それなりに気を使ってはいますが、レビューはネタバレを含みますので、何卒ご了承ください。

本日は映画評『リンカーン弁護士』(2011年アメリカ)です。

これはとても面白い試みのストーリー展開だと思います。

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マシュー・マコノヒーが弁護士を演じる、と言えば、'90年代の彼の出世作『評決のとき』を思い出さずにはいられません。

当時、ある映画雑誌は、彼のことを「彗星のごとく現れた大型新人俳優」等と評していましたが、まさに私も、このような素敵な人がいったいこの地球上のどこに生息していたのか、あるいはどこの惑星から現れたのか、と、目が釘付けになったのを覚えています。(ちょっと、いやかなり大げさに言ってみましたが、とにかくそれくらいのインパクトだったということです)

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あの頃は初々しい弁護士を演じていましたが、すっかりベテラン弁護士になった彼(というか彼が演じる役ですが)。

しかも、ある種の悪徳弁護士です。

ある種の、と書いたのは、いわゆる一般的に言う悪徳弁護士とは必ずしもひと括りに出来ないからです。

というのは、彼が引き受けるのは、どちらかというと社会的には底辺の犯罪者。

つまらない犯罪を繰り返すギャングや、ドラッグや売春を繰り返す女性など、要するに、普通にやったらあまりお金にならないような人たちの代理をしながら、じゃ実際どこからお金が出ているのかといえば恐らく、お金持ちからあの手この手でせしめたお金で、グレーに稼いでいるという感じなのです。

もちろん彼のやり方はほめられたものではないものの、簡単に悪徳弁護士!等と切り捨ててしまうのも、どうなんだろうと思わせる。要するに、ミックは誰の味方なのか?どんな信条でこの仕事に取り組んでいるのか?を問いながら、物語は進んでいきます。


そんな彼ミック・ハラーのトレードマークは大型車リンカーン。

それがタイトル『リンカーン弁護士』の由来であり、エイブラハム・リンカーンとは直接的には関係ない感じです。


さて、ミックがある時紹介された案件は、不動産業を営む資産家の息子ルイス・ルーレの暴力事件。

被害者は娼婦であり、被告であるルイスは、「お金目当ての狂言である」と無実を主張します。

ミックは当初、お金にもなるし、それなりに乗り気で活動にあたりますが、とんでもない罠に嵌められていることが判明します...


序盤、事件が二転三転していくスピード感で引き付けますが、この物語は真犯人の謎ときが主要な論点ではなく、むしろそれが判明してからの手詰まり感にミックがどう対処していくか、というところで、物語の進行を魅せていく、というスタイルです。


キャストもいい。大金持ちのぼんぼんを演じるライアン・フィリップ、もう彼そのものがルイスです。

そしてミックの周辺人物も妻(元妻?)役のマリサ・トメイ、元刑事で今は調査員としてミックを支えるフランク(ウィリアム・H・メイシー。「シェイムレス」と同じ役名なのは偶然でしょうか?)、みんなそれなりに複雑な役回りを、面白い味を出しながら実現しています。


ワクドキなサスペンスを楽しみたいという時には、オススメの1本です!

きっと新鮮な気分で楽しめると思いますよ♪


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