すみません、本日も映画評です。
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図らずも、連続して橋本愛さんが出ている映画を見てしまいました。
国民的人気を博しているじぇじぇじぇドラマにも出ているので、まぁ今をときめく女優さんなのでしょう。
ストーリーについては「このミステリーがすごい」を受賞した小説が原作です。
小説を読んだことはありませんが、あらすじは、
大邸宅で火事が起きてものすごい遺産が相続人に...
兄弟同然のように育てられた二人の女の子の一人が焼死し、もう一人は顔を失って生き残る。
生き残った少女は、顔は再生するものの、歩けず、指もろくに動かない状態でありながら、偶然出会った謎のピアニストに救われて、リハビリとしてピアノを弾くことを再開。
その謎のピアニストとは、実は司法試験を一位通過しながらもピアニストになった、法律にも明るい探偵(?)でもあった。
なんとかリハビリを続ける少女出会ったが、彼女は何者かに命を狙われていた...
という、まぁ少女マンガのような設定です。
というわけで(?)、このドラマの見どころは、何と言っても清塚信也、それに尽きます。
彼はホンモノのピアニストであり、クラシック界ではかなり異端なエンターテイナーです。
彼のコンサートをみたことがある人は、その特異な才能を表現するのに困惑すると思います。
ピアノを引く前に見せる投げキッスやウィンク、MCの面白さと、ピアノを弾く時の真剣なまなざしのギャップに???と思いつつも、おおウケ、いつの間にかハマっています。
彼の演奏の特徴(というか技)の一つに、速弾きがあります。
動きの速い曲を、さらに数倍速で、尋常ではない速度で弾きます。
細かいメロディーは和音と化し、不思議な新しいメロディを形成します。
映画の中で、長時間弾き続けられない主人公・遥が、一曲目のアラベスクを故意に速めに弾くシーンがあり、そこで清塚信也演じるピアニスト岬が、「弾き続けられないからといって速く弾いたね、それは絶対やっちゃいけない、曲への冒涜だ」みたいなセリフがあり、思わずプッと吹き出してしまいました。
いえ、言っていることはその通りだし、清塚さんもそう思っていることでしょう。
アラベスクはちょうどいい速度で弾くべき曲だし、どんな曲も弾く者の「都合」で速弾きするのはナンセンスです。
ただ、彼の速弾きを知っているファンは、このセリフで、彼の超倍速の幻想即興曲が頭をよぎったに違いありません。
誤解があるといけないので一応エクスキューズしておきますが、彼の速弾きはむしろショパンへの憧憬および敬愛であり、決して冒涜ではないことは、彼の演奏を弾けば分かります。
さて、清塚さんは自身のコンサートのステージ上で常にエンターテナーを演じています。
だからこの映画の中でも、その演技はいつもの彼そのものでした。
これだけのピアノ演奏ができるようになるためには、青春のほとんどの時間をピアノ練習に費やしているはずで、その中で最低でも数年間の猛勉強を要する司法試験の準備している時間はあるはずもないという想定内のツッコミをも凌駕する、天才的不思議くんっぷりを、素のままで見事に表現しています。
そして彼が劇中で弾くリストは、臨場感を出すために実際の演奏を音も含めて撮ったものらしく、迫力があって素晴らしい絵です。正直、この映画の一番の山場です。
清塚さんの演奏は、力強い曲は本当に全身全霊を込めて弾くので、見ていても楽しい。
実際、ショパンの英雄ポロネーズを1回弾くのに1キロ痩せるなんていう逸話もよくコンサートのMCで話しますが、彼の演奏を見聴きすれば納得です。
この映画は見なくていいのでとにかく清塚さんのLIVEに一度足を運んでみてください。
きっと彼のファンになり、この映画も観ずにはいられなくなること請け合いです!
▼清塚信也OFFICIAL WEBSITE
映画評ではなく、ほとんど清塚信也評になってしまいました。想定通りです。
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