本日は昨日wowowで放送されたドラマ「スキャンダル」を見ていてふと思ったことを書きますが、スキャンダルは本邦初公開のドラマであるため、ネタバレしている部分があることをあらかじめお断りしておきます。
「スキャンダル」第5話をまだご覧になっていなくて、新鮮な気持ちでドラマを見たいという方は読まない方がいいと思います。
それでは、本題。(といっても前置き長めです。)
映画やドラマでは、しばしば、ホワイトハウスの陰謀として、不都合な人物が暗殺されるというエピソードが描かれるということがあります。
本当にそのようなことがありうるのか、要するに、大統領やその側近の命令として、秘密裏に人を殺すということがあるのか、と、日本で割と素直に育った私には疑問だったわけですが、ちょっと前に民主党のオバマ政権下でウサマ・ビン・ラディンというテロリストが米国特殊部隊の軍事作戦により殺害されるということがあり、「ああ、アメリカ政府というものは、多数派の国民感情に合致していれば、公に殺人をすることをいとわないどころか、それを堂々と世界に発信し自負すらすることがあるのだ」と思うと同時に、暗殺くらいはミッションとしてしているんだろうな、と考えるに至りました。
いや、本当のところはわかりませんよ、でも、個人的にはそう思ってます。
かつて一世を風靡した「ザ・ホワイトハウス」(The West Wing)というドラマがあります。
政治ドラマは流行らないというそれまでの定説を覆す大ヒットを博し、またドラマではご法度と言われていたカメラ長まわしでも話題になった歴史的TVドラマシリーズです。(個人的評)
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主人公は、マーティン・シーン演じる民主党の大統領ジェド・バートレットですが、シリーズの中で一回だけ、大統領の命で暗殺が決行されるシーンがあります。(私の記憶が確かであれば...)
「ザ・ホワイトハウス」はクリントン政権をモデルにしているともいわれ、国内では、ジェドの雰囲気がビルにとてもよく似ていると評されたこともあったように覚えていますが、実際クリーンでリベラル、ちょっと色っぽくてカッコいい大統領、というイメージの役作りだったように思います。
そのジェドが暗殺・・・!?
それは大変な衝撃でした。
いや、アメリカの多数派は納得していたのかもしれませんが、世間知らずな私はやはり納得がいきませんでした。
それからジェドへの思いが大きく揺らいでしまったのは事実です。(ってどうでもいいことですね。)
【以下「スキャンダル」につき若干ネタバレあり】
でもしばらくそんなことは忘れていたのですが、昨日「スキャンダル」の5話目を見て、そのことを思い出してしまいました。演出上、ハッキリと描かれているわけではないのですが、大統領の愛人と疑われ実際に大統領に対して何かしらの請求を開始しようとしていた女性が、何者かの手によって、さらわれ、無残な姿で見つかるというものでした。(詳細はドラマで御覧ください)
この段階(5話)で、大統領の側近の命であることがドラマ上はほのめかされていますが、あくまで大統領は知りませんでした。
ドラマでは、この女性をモニカ・ルインスキーと重ねていますが、それでは、実際にその当時、クリントン大統領が、モニカを暗殺するといったことが起こりえたでしょうか。
私は否と思いたいです。
確かにレーガンやブッシュ・ジュニアがそのようなことをするのはなんとなく想像できますが、まさかビル・クリントン(あるいはその側近)が、モニカの暗殺をたくらむなんてことがあるでしょうか。
信じられません。
「ザ・ホワイトハウス」のジェドが行った暗殺は、架空の国の要人を殺すというもので、同国の自分の愛人を殺すのとはやはりワケが違うと思うんですよ、なんというか人道的、道義的に。
「スヤンダル」は共和党政権下ですので、多少、強硬策をとりそうではありますが、その暗殺を命じたのは、例のゲイの大統領補佐官で、割とリベラルな人物なはずです。
大統領の愛人をさらって殺してとか、ありえません。
まぁでも、国内での反応は違うのかもしれません。
ことほど左様に、私の倫理感覚と、ドラマクリエイターもしくは米国のそれとは、時におおきなズレを生じていると実感するドラマライフであります。
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