去年の春、君の、何にもない秘密の丘で
ヨモギ、タンポポ、オオバコを摘んで帰った。

私の小さなキッチンでそれを次々天ぷらにして、君は「うまい」と言った。
少し塩をつけて
たくさん、たくさん食べた。
ふたりで迎えたはじめての春だった。




昨日、ふたりで人の多い公園を散歩していると踏まれたヨモギを見かけた。

そのヨモギは、
もうヨモギの季節がやってきたこと、
もうふたりの楽しみにしていた春の草の遊びは終わったことを私に告げた。

硬い表情で彼に視線を向けると、
もう春が来たね、と、寂しそうな声で言った。



その夜、別のレシピで作ればいいと私が提案すると、彼も嬉しそうにうなづいた。

寝る前にベッドの中で調べても、やっぱりわくわくするようなレシピは私には見つけられなかった。




かみさま
わたしたちこれから
たくさん野原と遊びたいんです。
うさぎみたいに野原を食べて感じたい。
あといっかいだけでも


だって
わたしたち、これからはじまるんです








わたしは

ワガママナノカナ